2012/13 BL 第19節:アウクスブルク対シャルケ

見ているときはどれだけ退屈な試合なんだと思いましたが、見直してみるといろいろ面白かったのでちょっと書いてみます。
シャルケ側は一様に、ポジティブに考えると失点ゼロなのは良かったと言っているようですが、確かに負けていてもおかしくない試合だったので、そこは皮肉ではなく普通に前向きにとらえたいところ。
ただ全体としてはアウクスブルクのヴァインツィール監督に先手先手を取られていたのがとても痛い。

 

1. Bundesliga, 2012/13, 19. Spieltag
FC Augsburg – FC Schalke 04 : 0-0 (0-0)

Torschützen
keine

FC Augsburg
Manninger (2) – Philp (3,5), Callsen-Bracker (3,5), Klavan (3), Ostrzolek (3,5) – Baier (3,5) – Koo (3), Moravek (4)(66. Vogt), Ji (3,5) (89. Oehrl), Werner (4)(81. Hahn) – Mölders (3,5)

FC Schalke 04
Hildebrand (2,5) – Uchida (4), Höwedes (2,5), Matip (3,5), Fuchs (5)(68. Kolasinac) – Neustädter (4), Holtby (3) – Farfan (3), Draxler (3,5) (83. Barnetta) – Huntelaar (4,5), Marica (4,5)(78. Höger)

前節のフォルトゥナ・デュッセルドルフを3-2で勝利しているFCAは前節と全く同じスタメン。
システムは4-1-4-1で、中盤の1がキャプテンのバイヤー(背番号10)、トップの1がムルダー(背番号33)。この二人がとにかく敵ながら素晴らしかったと思います。

(Bundesliga.deより)

アウクスブルクはトップにはムルダーひとりですが、攻撃時には中盤の4人が前にあがってくるので、常時、実質4人あるいは5人でシャルケのDFに対し数的優位を作ります。
一方シャルケは事前のトレーニングでは戦術的にフンテラールが外れた布陣が考えられていたようですが、ふたを開けてみると結局、マリカ&フンテラールのツートップ。中盤はノイシュテッターとホルトビーがDMFとしてコンビを組みました。ツートップだから機能しないというわけではないけど、ホルトビーが深い位置でディフェンシブにならざるを得ないと、どうしても前にボールが運べなくなり、また、FCAのバイヤーがDFラインの手前のエリアをうまくカバーしているので、前でフンテラールとマリカが孤立するケースが見られました。

FCAは選手が何をしなければならないかの意識がクリアで、早めのプレッシングから切り替えの早い攻撃への意識が徹底していました。
またシャルケがカウンターに入るところのつぶしも早い。前半はモラヴェクに攻撃の目をつまれる場面も。
あと意外とカウンター主体ではなく、つなぐところはきっちりボールをつなぎます。シャルケが前半はプレッシャーをかけに行かなかったというのもあるのかもしれないけど。
最終的なポゼッション率はFCAが57%、シャルケが43%。

21分にはムルダーがポストになり、ためたボールをク・ジャチョルがシュート。
FCAはこのパターンがすごく効いていました。ムルダーにあてて、クが入り込む、あるいは左からジ・ドンウォンかヴェルナー。
FCAが惜しいのはこの前半のうちに得点できなかったこと。攻撃の形は素晴らしいと思うのですが、いかんせん得点力に問題あり。もちろん、ヒルデブラントの好セーブあってのことだとは思いますが。

あと、けっこう審判がFCAの選手の演技に騙されていたのもイライラしました。さすがにハーフタイムに控室で映像確認をしたのか、後半はわりとまともなジャッジになりましたが、とにかく前半はひどかった。おそらくヴァインツィール監督がチーム戦術の一つとして容認しているか、やらせているかだと思いますが、監督はとってもイケメンなのに、多少えげつないよね(汗)。

後半に入り、ホルトビー、あるいはノイシュテッターが前へとポジションをあげたことと、ドラクスラーやファルファンも含めて頻繁にポジションチェンジを行うようにしたこともあり、シャルケが優勢になります。
58分にマリカのパスを後ろから上がってきていたホルトビーがシュート。59分にもマリカからファルファンのシュート。
チャンスを作るだけならマリカの方がフンテラールよりも多かったですよねえ。

66分、縦にポジションチェンジをするノイシュテッターとホルトビーに対応できないとなると、ヴァインツィール監督はすぐにモラヴェクに替えてフォクトを入れ、中盤の底を2枚に変更。シャルケはこれでまたちょっと攻撃が停滞し始めます。
この辺はピッチの状況を良く見て、先手を打ってくるFCAがちょっとうらやましかったり(笑)。

69分にマティップのパスミスからカウンターになり、最後はムルダーのシュートがポストに当たって助かるという危ない場面も。
これは怖かったー。なにげないパスを出したクもお見事ですが、強引に打ってくるムルダーもすごい。

シャルケは77分にヘーガーを入れて、マリカを下げます。
マリカの方がこの試合に関しては良かったと思うのだけど、やはりピッチにFWを一人残すとなるとフンテラールの方が怖いのかもしれない。このあたりの判断は監督でないとわからないのでなんとも言えないです。
最終的にはどちらも得点をあげることができず、スコアレスドロー。

個人的にはケラーがなぜハノーファー戦の布陣4-2-3-1から4-4-2にしたのか理由がよくわかりませんが、この試合の前半に関していうとうまく機能していたとは言いがたいようでした。
マリカを使うか、フンテラールを使うか。どちらもセンターフォワードタイプなので監督としては悩ましいところだと思います。
面白いのは4-2-3-1でプレーしてきた試合(バイエルンとの練習試合、ハノーファー)は失点が多く、今回の4-2-2は失点がなかったこと。
たまたま?
さあどうでしょ。

次の試合はどのようなスタメンになるのか。ホルトビーが抜けた後なだけにとても気になります。

2012/13 BL 第19節:アウクスブルク対シャルケ」への2件のフィードバック

  1. 前節はあれだけ点が入ったのに、なぜまた戻ってしまったの?
    反面、あれだけ入れられてしまったけど、よくゼロで抑えた。と、私も負けなかったこと前向きにとらえました。

    どこがどうだめなのかわからないのですが、チームとしてうまくいっていない感じですね。
    ボールを簡単に失いすぎだと感じたのですが、調子のいいときはそういうパスが通るのですよね。

    >おそらくヴァインツィール監督がチーム戦術の一つとして容認しているか、やらせているか 

    ジョーンズがいっぱいいると思いながら観ていたのですが、ヒルデブラントも皮肉っていましたよね。
    高校で野球部のマネージャーをしていた私は『スポーツマンシップの精神』が根底にあり、もし本当にそうで私が選手なら『そんなことしたくありません!』と言いたいですが、監督には逆らえないのでしょうね。

  2. >みっきーさん、
    なんでしょうねえ。大量得点した次の試合って点が入りにくいの法則でしょうか。
    半分ずつにすればよかったのに(あ、そうするとハノーファー戦に負けちゃうか。笑)
    新しい監督になるとやり方もかわるのでまだフィットしてないのかもしれないですね。
    全体にコンディションが悪い感じもしますし・・・。

    あ、監督がやらせているは書き過ぎでした(^^;)
    そんな感じがしただけです。
    ただ、すぐ笛を吹くナイーブな審判だったので、試合の序盤に傾向とかをわかってしまうとそこを突くっていうのもありかなあと思っただけで・・・。
    いいことではないと思うんですけどね。
    あ、高校野球と違って監督に逆らえないってことはないと思います。選手がするかしないかは選手の自由だろうし。

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