2016年8月の記録:周るマグデブルク

2016年の夏旅行の計画中、第3節にマグデブルク対パダボーンが組まれたことを知り、なんとしてもマグデブルクに行かねばならないと、使命感に似たものを感じました。理由はマグデブルクについて書かれたブログです。ゴール裏だけでなく、スタジアム全体で応援するってどんな感じなんだろうと、ずっと気になっていました。

とはいうものの、マグデブルクでのアジア人に対する事件の話などを聞き、直前までは行くかどうかかなり悩みました。方向音痴なので迷子になるのも心配事の一つ。夏とはいえ19時キックオフだと、帰りにはすっかり暗くなります。一度も行ったことのない場所なので、地図で目印になる建物を覚え、方角だけは間違えないようにしようと何度も確認しました。

ホテルはせっかくなのでフンボルト・ヴァッサーがデザインした建物を予約。うーむ……。

内装はそれほど突拍子もないわけではなく、椅子などはとてもかわいいのであります。

マグデブルクのスタジアムへはStraßenbahn(トラム)が近くまで運行しています。中央駅前の大通りにある「Allee Center」という停留所から、6番に乗って「Arenen」で下車。Googleマップでは「Berliner Chaussee」になっていますが、現在ではArenenという停留所名です。

カバンの持ち込みは禁止と事前に聞き、カメラは持っていかなかったのですが、女性のハンドバッグ程度なら全く問題なかったです。行ってみないとなかなかわからないですよね。

トラムを降りてからは、サポの流れについてスタジアムまで。しかしこの時にしっかり経路を覚えておかないと、帰りは真っ暗なので必ず迷ってしまいます。

道に沿って5分程度歩くと、目の前に広場とスタジアムが見えてきました。MDCCアレナは2006年12月にオープン。2009年より地元のインターネットとケーブルTV会社であるMDCCが命名権を取得しています。

スタジアムの周りは屋台などが出て、試合前の雰囲気はなかなか楽しそうです。チケットはオンラインで購入し、自分で印刷。アウェイのパダボーン側の近くにと思っていたのに、行ってみたらマグデブルクのゴール裏近くのメイン席でした。まあ、方向音痴だと方角音痴にもなるよね……。

パダボーンは第1節でデュイスブルクに0-1と敗れたものの、マインツIIには3-1と勝利。一方のマグデブルクはフォルトゥナ・ケルンに0-3、ツヴィカウに0-0というシーズンスタート。これは良い勝負になるかもと、かなり期待して見に行ったのですが、ベックにハットトリックを決められ、3-0という散々な結果となりました。(一昨年も見に行った試合でハットトリックを決めらたという。逆ハットトリック伝説の誕生……)

スタジアム全体で応援をするというのは、聞いていた通りでした。マグデブルクではゴール裏だけでなく、対戦相手のゲストブロックを除いたすべての席でみんなが応援に参加します。まずゴール裏が例えばタオルを回してチャントを歌うと、次にバックスタンドがそれに続きます。そのあとはメインスタンドの番です。

パターンはいくつもあって、隣の人と肩を組んでムカデダンスをしたり、歌いながら飛び跳ねたり。こんな楽しいサッカー観戦は初めてでした。(負けたけど)

できることならもう一度行きたいスタジアムです。

マグデブルクは近年着実に力をつけて、しっかりとした歩みでクラブの強化をはかっています。かつて東ドイツ時代には3度のリーグ制覇を果たし、また1973/74のUEFAカップウィナーズカップで優勝する強豪だったのですが、東西ドイツ統一以降は下部リーグでのプレーを余儀なくされていました。

しかし2014/15シーズンにレギオナルリーガで優勝し、三部昇格。そこからは二年連続4位と昇格を狙えるほどになりました。これを書いている2018年4月の段階ではパダボーンに次いで2位。ついに二部昇格が現実のものとなりそうです。レギオナルリーガ、三部とチームを率いてきたヘルテル監督が、二部でどのような試合を見せてくれるのか楽しみでもあります。