帰ってきたミニ北部ダービー:ハノーファー対HSV

ブライテンライターさんがハノーファーの監督に就任して以来、ほとんどの試合はチェックしていますが、個人的にベストゲームの1つかなと思ったのが第4節のハノーファー対HSV。第2節のハノーファー対シャルケも面白かったのですが、さすがにシャルケファンの立場もあり、負けた試合を良かったとは言いにくい。

ハノーファー対HSVは、地味ですが好みの試合でした。両チームの選手が集中を切らさずにプレーしていること。フェアなタックルあり、激しいぶつかり合いありと、局面での攻防も面白かったこと。また全体の流れも采配の妙が感じられて興味深かったです。

ハノーファーはスタートは4-2-3-1。GKはチャウナー。DFラインは右からコルプ、サネ、フェリペ、オストルツォレク。中盤にアントンとシュヴェクラー。1つ前にバカロルツ。左サイドハーフはカラマン、右はハルニク。トップはフュルクルク。

一方HSVは4-4-2。GKはマテニア。DFラインは右からディークマイヤー、パパドプロス、ユング、ダグラス。中盤にエクダルとワラシ。右にアンドレ・ハーン、左にホルトビー。2トップはシップロックとジャッタ。

ハノーファーは攻撃時に両サイドが高い位置を取り、アントンがDFラインに下りてきて3バックを形成。守備時には5バックとなり、アントンは高さを生かしたクリアや、鋭い危機察知能力に基づいたポジショニングで、二人のCBと協力して堅守の壁を築きます。シャルケ戦でメディアに「アントン・シャッフル」と名付けられるほど、いまやチーム戦術に欠かせないキープレーヤー。中盤においては、シュヴェクラーと共にボールを回収し、そこから正確なパスを出すか、あるいは最終ラインにつないで、CBのサネ、フェリペ、アントンの3人で再びビルドアップを始めます。

8分には、左SBのオストレツォレクが持ち上がったボールを、中でフュルクルクがつなぎ、中盤高めの位置にいるバカロルツを経由し逆サイドへ。右から上がってきたコルプがスペースをうまく使ってクロスを入れたのですが、ユングにクリアされました。左にスライドしてきたHSVの守備陣に対し、横に抜けるパスで逆サイドへ展開し、一瞬にしてHSVの最終ラインを慌てさせます。

この直後にハノーファーにとっては不測の出来事が待ちうけていました。

9分過ぎ、ボールを保持してタッチに逃れようとしたフェリペを、シップロックが無理矢理に引きずり倒し、さらに倒れた弾みでフェリペにのし掛かるというプレーで、試合はしばし中断。怪我をしたフェリペはそのまま担架で運ばれる事態に。

余談ですが、このときに21歳のアントンが、シップロックに粛々と抗議している姿が非常に頼もしく、このチームの未来のキャプテンはキミだ!と思ってしまいました。

試合は約5分程度中断。負傷交代となったCBの代わりにピッチに送り出されたのは、サイドハーフのべブーでした。DFが抜けたのに攻撃の選手が出てくるのが面白い。フェリペの穴はアントンが埋めます。べブーは左サイドへ。カラマンがトップ下に入り、バカロルツがボランチの位置まで下がります。

35分の時点でポゼッションはハノーファーが65%、HSVが35%、シュートも6-1。HSVはホルトビーが二列目の死角から上がってチャンスを作りますが、全体としてパス成功率もこの時点で5割を切り、精度が低いのが難点です。ハノーファー側もバカロルツのミドル、ハルニクのヘディングなど惜しいチャンスはあるものの、得点までは至らず、前半は双方無得点で折り返します。

後半からブライテンライター監督は4-4-2とフォーメーションを変えてきました。

べブーが右にポジションを移し、ハルニクとフュルクルクの2トップ。この変更が見事にはまります。フュルクルク、ハルニクと共にべヴー、カラマンがサイドから出てくると、HSVの最終ラインは対応しきれなくなります。

50分には中央から左に流れたべブーがシュート。弾かれたボールはシュヴェクラーがしっかり拾い、再度パスを受けたべブーが、ディークマイヤーとハーンを引き付けてオストレツォレクへつなぎます。オストレツォレクはフリーの状態で逆サイドのポスト脇に高いクロス。フュルクルクが頭で落としたボールを、ハルニクが押し込んで、ハノーファーが先制。ハルニクはこういうごちゃごちゃしたところから決めるのが本当に上手い。

この時点でハノーファーは1969年以来、48年振りにブンデスリーガ順位表のトップに立ち、スタジアムでは「Spitzenreiter, Spitzenreiter, Hey, Hey!」」の大合唱。

その後のハノーファーは守備に重きを置きながら、カウンターでチャンスをうかがいます。それにしても、スピードがあり、一瞬でスペースを駆け上がってチャンスを作るベブーの獲得は、大当たりの補強。53分には縦に抜けてフュルクルクのシュートを演出し、 55分にもベブーのクロスからカラマンのシュートと、決定的な場面が続きました。

HSVは60分に、ジャッタに代わってサリホヴィッチを投入。一端は左サイドに入りますが、ホルトビーとポジションを変えながら、真ん中からミドルシュートの機会をとらえます。またホルトビーが前を向いてボールを受けられると、HSVにとっても大きなチャンスにつながっていました。

ハノーファーは65分にはベブーがDFを引き付けながら、ワンタッチで後ろから入れ替わったハルニクへつなぐと、ハルニクが右サイド前方へ斜めのパス。走り込んできたコルプが持ち上がり、ゴール前を横切るクロスを入れます。逆サイドに入ってきたカラマンに届く前に、ディークマイヤーにかろうじてクリアされましたが、前ががりにペースを握っていたHSVから、一瞬にしてコントロールを取り戻す攻撃となりました。69分にも同じような形でコルプがクロスを入れますが、こちらも再びディークマイヤーに阻まれます。

HSVは個人の頑張りでFKをもらうケースはあっても、サイドからの簡単なクロスでは、高さのあるサネとアントンを越えることができません。ただサリホヴィッチがフィットしてきたら、正確なボールは今後の武器になる可能性はあります。74分には左からのサリホヴィッチのクロスに、フリックで合わせたハーンのボールを、チャウナーが押さえています。

78分にカラマンに代わってクラウス投入。入ったばかりのクラウスはすぐにゴール前でFKを得ます。蹴ったボールは壁の間をすり抜け、マテニアが止めたものの、正面にこぼれ、それをべブーが押し込んでハノーファー追加点。

スタジアムにさらに響き渡る「Spitzenreiter, Spitzenreiter!」の歓声と、「Oh, wie ist das schön」の歌声。最高の雰囲気のまま、試合は2-0でハノーファーが勝利します。

試合後、ユーロスポーツの実況席に呼ばれたブライテンライター監督は、ザマーの質問に対し、「昇格チームとして何よりも守備の安定を優先している」と答えていました。パダボーン時代の降格経験から、失点の多いチームは残留が難しいという事実を元に、ゲームプランを立てているのでしょう。解説をしていたザマーも、この試合でのフレキシブルなポジションの変更が、ずいぶん気に入っている様子でした。

ブライテンライター監督が就任して以来、ハノーファーはこれで公式戦14試合負けなし。クリーンシートも10試合という堅実な試合を続けています。今後は難しい相手が多くなってきますが、できるだけ早く勝ち点を積み上げて、残留を決めてほしいものです。(←来年もキャンプに会いに行きたいので。汗)

シャルケ時代に不当にメディアに扱われ、個人的に非常に悔しい思いをしただけに、ブライテンライター監督の実力での復権はなによりも嬉しく思います。またアントンの成長のプロセスも見逃せません。今後もシャルケ同様、ハノーファーの試合を応援していこうと思います。

 

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