NRW・切符と自動券売機のあれこれ

PCを椅子の上に置いて、床にすわって使っていたら腰が痛くなってしまいました(汗)。
今週末に机が配達されてくるので、それまではちょっとエントリーはお休み・・・。
といっても、以前に書いたままアップしていないものがあって、最近、ドイツに行く友達に質問を受けたりしたので、それをアップします。
データの古い部分もありますので、参考程度になればいいかなと・・・。

よく検索で引っかかるので、ノルトライン・ヴェストファーレン州(NRW)の鉄道について少しつっこんだところを書いてみました。(数ヶ月前からちょこちょこ直して準備していたのですが、自分で読んでもどうもわかりにくいなあというので、なかなかアップできなかったのです)
この手のガイドは情報がすぐ陳腐化するので、書きづらいというのもあります。
あと、ドイツに旅行で行く人はジャーマンレイルパスなどを持っているから、あまり必要な情報ではないでしょう。

一応、ここで書いている情報は2008年11月時点の情報ですので、参考程度にとどめておいて、最新の情報についてはDB(ドイツ国鉄)や各運輸連合のページを当たっていただくのが一番確実です。
ちなみに、州が変わると自動券売機の表示や一日割引券の内容もがらりと変わりますので、NRW州以外については役に立たないかも。

ドイツ滞在中にサッカー観戦で一番お世話になった切符が『SchönerTagTicket NRW – Single』という一日券。

自動券売機で買うと23.50ユーロ。(現在は値上がりして25ユーロです)
これ一枚でこの地域のほとんどの乗り物に乗れてしまいます。(のぞく特急・新幹線:ICE/IC/ECなど)

乗車対象となるのはノルトライン・ヴェストファーレン州(NRW)。
この地域はサッカーチームが集まっているので、旅行などでドイツに来る方(ジャーマンレイルパスを持ってないとき)も重宝すると思います。南はボン、アーヘンから、北はドルトムント、ビーレフェルト、ミュンスターあたりまでが範囲になります。

ちなみに多くのWebサイトで、遠距離用自動券売機はクレジットカードのみと書いてありますが、このNRWエリアに限って言うと、現金(紙幣&コイン)の使える券売機もだいぶ増えました。ケルン中央駅では対人の券売所の中に何台かあります。



ケルンに引っ越して最初のうちは、DBを利用するとき、切符の自動券売機でまずどのボタンを押していいかわからず、機械の前にたたずんだまま悩んだものでした。
ちなみにこれは、日本人に限らず、ドイツ以外の旅行者、またはドイツ人でさえも、よく機械の前で固まっているので、わからなくてもそんなにあせる必要はないです。
わからなくて迷惑をかけている自分が申し訳ないと思うのは日本人の美徳ですが、ここでは、こんなわかりにくい物を作る方が悪いという態度の方がストレスが少ないでしょう。(←ドイツ人的)

【1.NRW・鉄道基礎知識】

ノルトライン・ヴェストファーレン州(NRW)の鉄道・基礎知識をまとめてみました。
NRWの交通網は大きく分けて、VRSVRRその他の3つのエリアに分かれます。

VRSというのは『Verkehrsverbund-Rhein-Sieg』(ライン・ジーク運輸連合)の略で、ケルン・ボン・エリアをカバーしている交通機関の共同体という感じでしょうか。バス、S-Bahn、U-Bahnのみならず、快速・普通列車も運航会社が違っていても、相互に共通のチケットで行き来できるようなシステムになっています。ゾーンが決まっていて、そのエリアを超えると次の価格帯になるというシステムです。(公式サイト

VRRは『VerKehrsverbund Rhein-Ruhr』 (ライン・ルール運輸連合)の略で、デュッセルドルフ以北、ドルトムントまでの広範囲をカバーしています。(公式サイト)(ウィキペディア
こちらも基本はゾーンによって価格が違ってきます。

その他、このふたつに属さない、たとえばドルトムントから先、ビーレフェルトあたりまでは、隣町同士という小さな運輸連合はありますが、上記ふたつに匹敵するような大規模なものはないみたいです。ただ、同じNRW内なので、NRW州全体を対象とした割引切符などは当然、このあたりでも使うことができます。ケルンからパダボーンなんて相当遠いのですが、SchönerTagTicket NRW一枚で行けた時には感動しました。

ケルンからデュッセルドルフ方面に電車に乗った場合、VRSの境目の駅は『Leverkusen-Rheindorf』、VRRの最初の駅は『Langenfeld(Rheineland)』になると思います。

【2.切符画面】

自動券売機の画面を図式してみました。わかりにくいですけど、配置でなんとなく覚えてしまうのがいいかと思います。
対人の窓口で買うより圧倒的に早いうえに、SchönerTagTicketなどは、2ユーロ安いです。
『ドイツ鉄道(DB)利用ガイド』はとても便利なサイトですが、あそこで表示されている最初の画面に到達する前に実はこの難関を乗り越えなければならないのでした。



図の右上に近距離切符とありますが、これで買える切符はVRSが管轄しているエリア内の駅ということになります。(VRSエリアを超えると、画面デザインは一緒ですが、VRRという表示になります。それならVRRエリア内のみのチケットであるべきですが、デュッセルドルフ空港があるせいか、例えば空港からケルンはエリアをまたぐにもかかわらず、このボタンを選ばないと買えなかったりします)

近距離切符を選択すると、次にでる画面はゾーンです。VRSで言うと、『Preisstufe 1a/1b』、『Preisstufe 2a/2b』、『Preisstufe 3』・・・というようなゾーンが表示されます。

例えば、ボンからブリュールに行くのと、ボンからレバークーゼンに行くのとでは、距離が違うのでゾーンが異なり、金額も変わるというのはわかりますよね。わかるけど、じゃあどのゾーンになるの?という情報は、この近距離切符画面ではわかりません。(まじ使えません)
それなら、駅名を指定して購入する左の青いボタン『予約/長距離用』を使えばいいと思うのですが、こいつがまた意地悪で、四苦八苦して切符の発券一歩手前まで行くと、『あなたの選んだ駅はこのボタンじゃ買えないから、近距離切符画面で選びなおして』と言われます。(このあたりで機械を蹴り倒しそうになります。汗)

結論として、近い距離を買いたいけどゾーンがわからないときは、下の近距離専用券売機を使った方が楽です。
買い方は『ドイツ鉄道(DB)利用ガイド』の『自動券売機・チケット購入(近距離用)』を見ていただくとわかりやすいですが、表から行きたい駅の番号を選んで、数字を入力すると、金額が表示されます。



さて、長距離の場合は、左の青いボタン『予約/長距離用』になります。
ここを選択したあとの購入の仕方は、『ドイツ鉄道(DB)利用ガイド』の『自動券売機・チケット購入のやり方』にありますので、割愛します。

【3.乗り放題特別切符】

私が、ケルンからゲルゼンキルヒェンに行く時は上でも書いた『SchönerTagTicket NRW – Single』というものを買っていました。自動販売機で購入すると、23.50ユーロ(2008年当時。現在は25ユーロ)でNRW地域は一日乗り放題なので、バラバラに切符を買うより安いです。
さらに通常のドイツ国鉄のチケットと違って、これ1枚でNRW地域のバスやU-Bahn、トラムにもそのまま乗れるので、いちいち買う必要がなく、料金的にも時間的にもお得です。

これを買うには、画面右下、緑の『NRW Tarif』というボタンを選択します。
これはNRW地方の割引切符専用メニューで、上記の一日券以外に『SchöneFahrtTicket NRW』という、片道だけの2時間限定チケットやグループ割引用チケットもあります。

週末でも一人用はこのチケットで大丈夫です。

ちなみにグループ用には『Schöner Wochenende Ticket NRW』がありますので、2人以上5人までならこちらの方がお得です。
これは、右真ん中の赤いボタン『割引切符/Länder Ticket』でも購入できます。機械で買えば33ユーロ(現在は34ユーロに値上がり)。5人ならひとり6ユーロちょっとの計算になります。

『SchönerTagTicket NRW』の現物は右上のやつです。一日券は乗る前にValidation(刻印)は必要ありません。日付が刻印されているのは、たまたま改札が回ってきたので。あと、名前を書けと注意されることがあるので、真ん中あたりの空欄に事前に名前を書いておいた方がいいでしょう。
使用にあたってはルールがありますし、値段も変わる可能性がありますので、DBの『NRW Tarif』サイトを必ず確認してください。
(平日は9時から深夜まで、週末は終日という時間制限があります。私のところに掲載しているデータが古い場合もありますので、必ず最新の情報のチェックを)

【4.試合の前売りチケットを持っている場合】



すでに前売りなどで試合のチケットをお持ちの時はまた事情が違ってきます。
シャルケの場合は『VRR-Kombiticket』と裏面に書いてあるので、上記VRRエリアなら、電車のチケットを購入しなくても普通電車、U-Bahn、Straßenbahn、バスなどに乗車できます。

ということは、ケルンからなら、VRSの境目の駅までを購入し、VRRエリアからは前売りチケットの提示だけで、電車のチケットは必要ないということになります。(でもまだ試したことはないのですが・・・)
ケルンではなくデュッセルドルフからなら前売りチケットだけでOKということですね。
これは行くスタジアムによって、使えるエリアや時間帯などが全部違いますので、ご自分のお手持ちのチケットをよく確認してみてください。

【5.Time Tableを活用しよう】

自動券売機の左下、青いボタンは『時刻表』検索&印刷機能です。
ドイツの時刻表は一見わかりにくいし、インフォーメーションセンターは必ずと言っていいほど混んでいるので、そのときはこの時刻表検索でスケジュールを印刷しておくとすごく便利です。
乗り換えのある場合、到着ホーム、出発ホームが何番線になるかも書いてあるので、これ一つ持っていると安心感が違いますし、出発駅と到着駅を入れて、『sofort』(即時)を選ぶと、一番早いルートを探してくれるので、時刻表をうろうろ見て自分で探すより圧倒的に早いです。

使い方はやはり『ドイツ鉄道(DB)利用ガイド』の『自動券売機・タイムテーブルの取り方』に詳しくありますので、ご参照ください。

なお、『S04 Guide』のページにこの地域の鉄道路線図などもリンクしてありますので、そちらもご利用ください。

ではよい旅を。Glück auf.

 

NRW・切符と自動券売機のあれこれ」への3件のフィードバック

  1. NRW州の州内チケットは色々種類がありややこしそうですね。
    NRW州滞在中は、VRR内しか移動しないのですが、以前はABCゾーンのみだったのが、Dゾーンもできて、以前よりチケットが高くなっていました。

    州のチケット、たとえば、BayernチケットはDBの普通電車、Sバーン、Uバーン、トラム、バス、と殆どの公共交通機関を使用する事ができますが(NRW州チケットもそうですよね)、先日、メクレンブルクフォアポメルン州へ行った時、バスは別料金でした。

    DBのチケット自動販売機は、時刻表も印刷できるし、重宝しました。
    使い方に慣れるまで、結構時間がかかるらしく、常に駅員さんがお客さんが自動販売機で購入するのを手助けしていました。

    ドイツ旅行の際に、役立つ情報、とてもいいですね。
    ドイツへ旅行される方にとって、とても有益な記事を沢山書かれていて、とても興味深いです。

    ドイツは州が違うと随分違いますからね。

    今後も、NRW州情報、楽しみにしています。

  2. 丁寧な解説をして頂き有難うございます。
    一部をプリントアウトして、持って行きま~す!
    (…とはいえ、実質的には30時間程度の滞在ですが…)

    それにしても日本円が対ポンド、対ユーロともに強くなっているので助かります。
    (英ポンドなんて、15年振りくらいの安値水準ですし…でも塩漬け状態の米ドルも有るんのが悩みの種)

  3. コメント遅くなってすみません。

    >miyaさん、
    お帰りなさい~。(ってまだ言ってない気がする)

    自動券売機は使えるようになると、ものすごく時間短縮になりますよね。
    私はバイエルンに行った時に、勝手がわからず、空港から市内に行くだけでおろおろしてしまいました。
    結局、対人で買っちゃったんだけど。

    州が違うと、ほんとに表示が全然違うので困ります。
    まあ、日本でもJR九州とJR東日本じゃ違ったりもするんだけど、そこはほら、日本語なので・・・。
    そう考えると、ドイツも日本も路線の複雑さとか、自動販売機のわかりにくさとか同レベルなのかもしれませんね。関東はまだ英語表記がありますが、九州方面になるとそれほどでもないし。うーむ。

    でもまあ、自分が失敗して学んだことから、少しでも旅する人に役立つといいなあと思って書いてます。

    I loved Reds!さんはもう旅の空ですよね。

    欧州は飛行機も路線が発達してるから、最初からドイツだけ・・・じゃなく、他の国から来てドイツに少し滞在するっていう人もたくさんいるんでしょうねえ。
    なんか、これを最初に書いた頃、でもみんなユーレイルパスみたいなんで旅行するだろうから、必要ない情報だよなーなんて、躊躇してたんですよね。

    楽しい旅になることを祈っています。
    ユーロもポンドも安くなっているのがいいですよね!

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