シャルカーからのインタビュー・その2

昨日の「シャルカーからのインタビュー・その1 – 『Big in Japan?』」の続きです。
サブタイトルは『日本人はなぜビルトではなくブログを読む方が好きなのか』です。ビルト(Bild.de)というのはご存知かもしれませんが、ドイツのタブロイド紙のことです。


 

 

Matthias(以下M) : 日本のサッカーファンというのはどんな人たちですか?

私(以下Y) : Jリーグの観客平均年齢は37歳です。2009年は60.6%が男性、残りの40%弱が女性でした。(ソース:『Jリーグ公式』
私が思うに、日本のサッカーファンはふたつのタイプがあると思います。ひとつは私のようなJリーグのファン、もうひとつは代表チームのファンです。
Jリーグのサポはだいたい、自分たちの応援しているクラブの方が代表よりも大切と考えています。だから自分のチームの選手が選ばれたときは、代表戦にも熱が入ります。2006年W杯に私の応援しているクラブから日本代表が選出されましたが、彼を応援するためにドイツまで行きました。こういう、クラブに対する忠誠心みたいなものはどこの国でも共通ではないかと思います。

M : 代表チームのファンはどうでしょう?

Y : 代表戦しか見ない人たちもけっこういます。ワールドカップのような大きなイベントが特に好きですね。彼らにとっては、Jリーグで誰がプレーしていようがあまり興味はありません。欧州リーグの方がJリーグよりも優れていると思っていますが、実際のところ海外のサッカーについてよく知っているわけではありません。海外の選手で知っている人はと聞くと、ベッカムだとかオリバー・カーンだという答えが返ってきます。
2002年の日韓大会でテレビによく映し出された人はこういう人たちだったのかもしれないですね。

(※ 補足ですが、なぜこういう話になったかというと、マティアスは2002年日韓W杯の時にテレビで見た、オリバー・カーンしか知らない日本人のイメージがかなり強烈だったようで、日本のサッカーファンはみんなこんな感じだとずっと思っていたようです)

M : イベントのファンというのはわかります。ドイツにもいますから。Jリーグのファンは欧州サッカーを知っているのでしょうか?

Y : Jリーグのサポの中にも海外リーグが大好きで、外国人選手についてよく知っている人たちがいます。国内リーグと同じように、スカパーで海外サッカーを見ることができるからです。Jリーグだけなら月23ユーロで見ることができます。
ただもっといいパッケージがあって、月50ユーロでJリーグ以外に、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、イングランド・プレミアリーグ、イタリア・セリエA、ロシア・プレミアリーグ、フランス・リーグアンが楽しめます。チャンピオンズリーグは全試合、その他はだいたい3試合くらいずつライブ放送があります。ロシア・プレミアリーグの放送はCSKAモスクワの試合だけですが、これはCSKAモスクワで日本代表の本田圭祐がプレーしているからです。

M :ブンデスリーガはどこに入っていますか?

Y : このパッケージには含まれていません。スペイン・リーガエスパニョーラも別です。スペインは月20ユーロ、ブンデスは13ユーロくらいです。

M : さらにサッカーにかかるコストについて続けます。シャルケは今シーズンからスタジアムのチケット代があがりました。ドイツではSkyTVのコストは月32.90ユーロです。これにはチャンピオンズリーグもDFBポカールも含まれていません。ドイツのサポはこれらの新価格を苦々しく思っています。
Jリーグの入場チケットはどのくらいするのでしょうか?

Y : 私の見たところ、一番高いチケットは65ユーロでした。ただ多くのスタジアムでは45ユーロくらい出せば一番良い席が買えます。ゴール裏はだいたい15から18ユーロくらい。
立ち席のあるスタジアムもありますが、座り席と立ち席で大きな価格差をつけているところはありません。

M : もう少し日本のサッカーファンがブンデスリーガとシャルケをどう思っているか聞きたいです。シャルケは日本では知られているのでしょうか?

Y : それは答えるのがちょっと難しいですね。みんなをがっかりさせてしまうかもしれません。今シーズンより前に、例えば道で任意に選んだ100人に、シャルケという名前を聞いたことがありますかと尋ねたら、おそらく100人に1人か2人くらいしか知らないでしょう。つまりサッカーファン以外の一般には全く無名だということです。
ただ、もちろんそれは徐々に変わり始めています。内田とラウールの移籍を通じて、シャルケの名前はメディアで報道されるようになりました。今なら100人中5-10人くらいは聞いたことがあると答えるでしょう。
ただ彼らが、シャルケがゲルゼンキルヒェンをベースにした、古い伝統のあるチームだと知っているかどうかは疑わしいですけど。

M : では同じ質問を他のサッカークラブについてしてみたらどうなるでしょう?

Y : 例えば、マンチェスター・ユナイテッドとバルセロナならたぶん、40%から50%くらいの人が名前を知っているかもしれません。ドイツのチームならバイエルン・ミュンヘンで3割くらいかな。
ただ、これは一般的な話であって、対象をサッカーファンに限ればもっと数値は増えると思います。今なら、だいたい70%くらいのサッカーファンはシャルケを知っていると思います。去年は30%くらいではないでしょうか。
こういう増加はもちろん、日本代表選手だった内田篤人の移籍が興味を呼びおこしたというのもありますが、どちらかというと私はラウールの移籍の方が、サッカーファンにシャルケの名前を知らしめたのではないかと思っています。内田は日本では確かに有名ですが、サッカーファンにとってラウールはより偉大な選手だからです。

M : すでに話したと思いますが、Schalkefan.deでは日本からのアクセスが急増しています。彼らは何に興味をもっているんでしょう?

Y : 私のブログでは過去に3度ほどSchalkefan.deをリンクしたことがあります。最近では内田選手に関するポストにリンクをしました。(『2010/11 BL 第9節:フランクフルト対シャルケ』参照)
シュツットガルト、ハポエル、フランクフルト戦の後、内田選手は多くのシャルケファンから激しく批判されました。フォーラムでもひどいスレッドが立っているのをいくつも読みました。
その時にあなたのブログポストを読んだのです。
あなたは内田選手の問題点を指摘しながらも、できるだけ中立の立場で極端にならないよう、フェアに分析をしているなと思いました。それで私のブログにとりあげ、ドイツのシャルケファンが全員『内田はダメ』と言っているわけではなく、内田選手に希望と信頼をおいている人もいるということを書いたのです。
私は内田選手についてはけっこう楽観視していたのですが、彼のファンは心配して希望をなくしかけている人もいて、そのことでブログのコメントをたくさんもらったりしていました。

M : 不思議だなと思ったのは、日本にいても彼のファンがシャルケの雰囲気をすごく身近に感じているように見えたところです。ドイツ語がわからない人はどのように情報を得ているのですか?

Y : 日本ではブンデスリーガに関する記事は本当に少ないです。翻訳された記事のソースはだいたいが、極端な論調で有名なビルト紙です。多くのファンが本当の情報や真実、きちんとした意見を入手しようと試みています。それでドイツ語が理解できなくても、日本からシャルカーのブログを訪ねたりするのでしょう。今はGoogle翻訳があればなんとかなりますからね。 

 
その3へ続きます。明日でシリーズ最終回です。

 

シャルカーからのインタビュー・その2」への3件のフィードバック

  1. その2も素晴らしいです。さらに濃い話になって、面白い。
    最終回が楽しみです。

  2. 本当にお疲れさまでした。
    母国語でも言いたいことを正確に伝えるのって難しいのに、外国語ならなおらさらだったでしょうね。
    最終回も楽しみにしています♪

  3. >kyokoさん、
    ありがとうございますー。なんとか完結しました!
     
    >みっきーさん、
    ありがとうございます。
    うまく表現できなくてすごくストレスがたまりました。
    マティアスが文章理解力のある人でほんとに助かりました・・・。

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