A Life Too Short

11月10日の夜は寝る前に少しだけエンケのために祈りました。
彼が亡くなって2年。
亡くなった日のことは鮮明に覚えているのに、思い返すとなんだかものすごく昔のような気もしてしまいます。

BBC 5Live Sportでエンケのドキュメンタリー番組が再放送されています。30分ほどのラジオ番組ですが素晴らしい内容なので、興味のある方はぜひリンク先からお聞きになってみてください。

番組ではエンケと親しかったスポーツライターや代理人、セラピストが登場し、彼について語っていきます。

スペインに移籍した2003年、エンケに初めてDepression(うつ病)の症状がでます。その頃から彼は治療の一環として日記を書き始めました。日記にはうつの症状について細かく説明が書かれていました。
そして2003年に書き始めた日記は、亡くなる2009年には記述がどんどん短くなり、ほとんど文章ではなく単語だけになっていたそうです・・・。

エンケが亡くなった後、奥さんのテレザが彼のことを書いてほしいと日記をスポーツライターに渡しました。
その自伝『A Life too short』が英語でも出版されているようなので、機会があればぜひ読んでみたいと思います。

1ヶ月くらい前でしたか、同じハノーファーでプレーしているGKのマルクス・ミラーがやはり精神的に疲弊しきっているということで、治療に専念するというニュースが流れました。個人的にショッキングなニュースでした。
数日前、ミラーはようやくトレーニングに復帰するまでに回復したようなので少しホッとしています。

そしてシャルカーにとって(そして私にとっても)、同じく心を揺さぶられるような出来事であったラングニックの辞任。彼もまたBurn-Out(燃え尽き症候群)の兆候を見せ、放っておけばおそらくDepressionにつながるような状態だったのだと思われます。
実は私もラングニックの辞任のショックでしばらくは石のような表情をしておりました。(いや、マジで泣いたり、落ち込んだり、自分でも制御不能でした。汗)

ラジオ番組の中でセラピストが『もっと何か(彼のために)できたのではないか?』と問いかけ、自ら『答えはない』と言います。
私もわからない。自分が家族や友達に対して何ができているか本当にわからない。
でも、自分にできることを少しずつやっていくより他にどうしようもないのです。・・・というと、なんだか無力感に襲われる気もしますが、もう少しだけ優しい心で周りの人の状態に気を配ってみようと思いました・・・。

 

A Life Too Short」への2件のフィードバック

  1. エンケ選手のことは確か昨年のかめさんのブログで知ったはずで、エンケ選手自身についてコメントできるほど知らないのでと遠慮していたのですが、先日のケルン対マインツ戦の主審Babak Rafatiさんの自殺未遂で、死について考えさせられました。

    私は死の恐怖の方が大きく死を選ぶ勇気があるのなら生きていけると、このようなニュースを耳にするたび思うのですが、それは心のコントロールができる状態だから、もしくはそれほどまでの状況に陥ったことがないのかも・・・

    >自分にできることを少しずつやっていくより他にどうしようもないのです。

    そうですよね。こんなことがあると思いやりますが、忙しい日常生活の中でいろんなことが流れていき、だんだんと忘れていってしまいます。
    ひとりひとりはちょっぴりでもみんながそうすれば、救われる命もあるのかも知れません。
    そして、いろいろと悩んだり落ち込んだりすることもあるけど『生きてるだけで丸儲け byさんま』と思えたら、少しは楽になりますよね。

  2. >みっきーさん、
    Rafatiさんの自殺未遂、すごくショックを受けました。
    私も死ぬ怖さを考えるとどんなことがあっても生きられる気がする方ですが、それでもふっと押されるように死に魅入られることがあるなということは考えます。

    こういう事件があるとほんとにいろいろ考えてしまいますが、おっしゃる通り、日常に流されるとどんどん忘れてしまいますよね。
    毎日たくさんの人が亡くなっているというのに。
    といって気持ちの上で引き受けすぎると、今度は自分がバランスを失いそうになるので、ほんとに『できること』だけをやっていくしかないのだなあとも思ったりします。

    難しいです。
    『生きてるだけで丸儲け』ってほんとにそうかもしれません。

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