西部謙司トークセッション@ジュンク堂

昨日は仕事帰りに池袋のジュンク堂へ西部さんのトークを聞きにいってきました。
『サッカー戦術クロニクルII』の発売記念トークで、会場がそれほど広くなかったとはいうものの、始まる頃には満員御礼でした。電話予約しておいてよかったー。(予約していない人はキャンセル待ちとか言われてました)

最近、自分の記憶中枢が老朽化してすぐ内容を忘れちゃうので、思い出した順番にぽつぽつと書いてみます。
私の理解力が乏しかったり、文章表現が足りなかったりして、西部さんの意図がうまく伝わらないこともあるかと思いますので、とりあえずこんな感じだったよーと、話半分に読んでおいてください。

西部さんはつい数日前までオランダに行かれていて、日本代表の試合も観戦してきたそうです。
ということで、トークの内容は、ちょっとだけ今期の欧州リーグ、日本代表、オランダリーグ、Jリーグ、質疑応答って感じでした。

今期の欧州といってもまだ始まったばかりなので、あまり見てないそうです。ただ、まずアーセナルの攻撃パターンについてボードを使ってちょっと説明。昨シーズンとの違いとか。
おそらく、ポスト・セスクという事態になっても対応できるように、少し変えてきているのではないかとの事。
(どう変えてきているかは、そのうち西部さんがどこかでネタにするだろうから割愛)

あと、リバプールについて。
『戦術クロニクルII』でもリバプールの戦術について詳しく書かれていますが(素晴らしい内容なのでぜひ読むべし!)、基本的には今期も大幅な変更はないようです。アロンソの穴は案外埋まっているけど、プラスアルファ部分(上積み)がないよねと言ってました。

マドリーについてもちょっと。
タレントがたくさんいるので、まだチームの意図するところなどは数試合ではよく見えてこないからわからないそう。もともとゴールに近い位置でボールを奪取しようとするチームだけど、スピード系の選手が増えたので、相手ボールになったとき、少し自陣までリトリートして前にスペースをあけるようにしたほうが、機能するんじゃないかと思ったようです。
シャビ・アロンソとディアラはいいとして、ガゴと組んだときに水準を保てるかどうかはわからないと思っているようです。

日本代表について。
こちら、かなり面白かったです。質疑応答でもいろいろと質問がでていました。
オランダ戦についてちょこちょこ話があった後、ワールドカップであのサッカーを続けるには、体力的に4試合が限界だろうということで、まあ、行けてベスト16。3試合でも疲労度はかなりあるだろうというお話でした。
相手が強豪ならなんとか引き分けに持ち込むことは可能。ただ、相手が格下だとしても必ず勝てるとは限らないところがつらい。
セットプレーなんかであっさりやられてしまう可能性は排除できないようです。
というのも、日本の場合、セットプレーで相手の強い選手をマークする役が闘莉王、中沢の次が長谷部という現状。長谷部はドイツではゴールの中でポールの側に立つような選手(つまり、セットプレーの守備で頭数に考えられていないような存在)。
そういう人たちで守っていかなければいけないので、格下であっても勝ちが計算できるとは限らないというお話でした。

代表に必要だと思うのはハイパワーな選手。例えば本田とか。玉田とか、調子がよければ稲本とか。
本田やあるいは森本なんかは、今のチームで、下がってくるな、前にいろ的な使われ方をしているので、彼らを生かすチーム作りというコンセプトも日本代表ではありなんじゃないかと考えているようでした。
そういうコンセプトをあらたに作るのに時間は必要なくて、極端なことをいうと、一日のトレーニングでも可能と言ってました。このあたり、『偉大なるマントーバ』という短編集の代表の話を連想しちゃいますね。

オランダリーグの特徴の話も面白かったのですが、長くなってしまうので飛ばします。

最後に、Jリーグ。
といっても、彼はジェフを中心に見ているので、最初はジェフの話。聞き手をつとめた『サッカー批評』の森編集長に『ジェフ、今期はどうですか?』と聞かれ、『覚悟はしています』と答えてました。笑いを取ろうとかそういうのではなく、本心だと思います。
ま、他にもジェフの話はあったんですが、誤解を招くようなことは書きたくないので今回は割愛。

Jについては戦術的な話はなかったけど、最後の質疑応答で『Jリーグが停滞していて・・・』みたいな質問には、西部さんはJが停滞しているとは思わないし、むしろ全体に向上していると思うと答えていました。
Jリーグをよくしたいなら、手っ取り早いのは外国人枠の撤廃または緩和。あとは、マスコミの報道の仕方だそうです。(停滞しているとしたらマスコミの報道)
例えばイングランドのようにサッカー人気の盛んな国は、ゴシップ紙も発達しているし、日本でもサッカーを見る層はほっといても見るんだから、もっとそうでない層をとりこむにはゴシップ的な扱いも必要ではないかとのことでした。
つまり、本田と俊輔が仲が悪いとか、事実はどうであれ、そういう報道はありだとか、そういうの(笑)

あと、たぶんFC東京のファンだと思うけど、『長友についてどう思うか』的な質問がありました。その答えがかなり興味深かったのですが、ボールを左足の前に置くようにすればもっと伸びるとの答えでした。右利きなので、どうしても右足の前に置きがちだけど、そうするとキックの範囲(選択肢)がせばまるということを図式して説明していました。
西部さんが見たところ、長友は左でも普通に蹴っていたし、最終的には右で蹴るにしても、左足の前に置くようにした方が面白い選手になるって感じでしょうか。例として都並とか相馬の名前が出てました。
その話は個人的になかなか興味深かったです。
西部さんには、いつか戦術的な話だけじゃなく、技術的な話も詳しく聞いてみたいものです。(西部さんの著書には『技術力』という本もあります)

私は質問はしなかったけど、こっそり聞きたいことはたくさんありました。
例えば、フィンケの戦術とかどう思っているんだとか(浦和サポ扱いされたくないので人前では聞けませんがw)、岡田監督の考える攻撃のオプションを図で示してくれとか、Twitterはやらないのかとか(始めてくれたらフォローするのにー)。ははは。

久々にサッカー脳に刺激を受けた夜でした。またトークショーやってほしいなー。

 

西部謙司トークセッション@ジュンク堂」への2件のフィードバック

  1. こちらは、ようやく帰国しました。

    >西部さん

    知人が「西部さんらしき人を見た」と言っていたので、おそらくN田Tさん辺りと、一緒に行動していたのかも(オランダネタの源は、N田さんでしょうし)

    >相手の強い選手をマークする役が闘莉王、中澤

    この辺は、同感ですね。
    ただ、今の岡田監督のやり方だと、どうしても前線に高さがある選手を選べないので、この辺りはトレードオフかと。(そのかわり自陣のCKであっても、前線の3人を残すくらいの事を、たまにはやって欲しいと思ってます)

    >本田や森本

    現状で彼らを起用するとなると、遠藤・中村俊を外さないとチームの運動量が持たなくなるので、岡田体勢では難しいのではないでしょうか?

    リバプールについては、また別の機会にw

  2. >I loved reds!さん、
    お帰りなさい。
    お返事が遅くなってスミマセン。

    あー、オランダで一緒になったかもしれないんですね>西部さん。

    岡田の好みだと守備だけに強いという選手は呼ばないんでしょうねえ。
    まあ、いまや日本代表どころではない気分なので、どうでもよくなってきたんですが。

    リバプールについてはまたいろいろ聞きたいですー。

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