Football Money League 2010

毎年恒例、Deloitteの『Football Money League 2010』がでました。
3月1日にはもう出ていたのですが、忙しかったのでダウンロードしてチラ見しただけ。
デロイトのサイトに登録をすると、誰でもPDFでダウンロードできます。

(過年度についてはこちらのエントリーをご参照ください。『Football Money League 2009』『Football Money League 2008 – Schalke04』

シャルケは2009の13位から3位後退して16位。
レポートの対象期間は08/09シーズン(2008/07/01から2009/06/30)になります。

毎回説明しているようですが、レポートの見方について。
Money Leagueの順位はRevenue(収入)に応じて測るという方法がとられています。支出も含めた営業利益において測るというわけではないので、単純に収入の大きいほど順位は上がるということになります。

RevenueはそれぞれMatchday(入場料収入)、 Broadcasting(放送料収入)、Commercial(商業収入)の3本立てです。スポンサーやユニフォーム・サプライヤーとの契約は Commercialに含まれています。
また、Revenueに選手の移籍金は含まれていません。さらに、よりサッカービジネスにフォーカスして意味のある比較にする為に、サッカーに関係のない活動や資本的取引などは加味されていないそうです。

各クラブの金額は最終的に6月末の為替レートでユーロに換算(Translation)されます。
大きな影響を受けるのがUKのチーム。ポンドベースでは順位が上でも、ユーロで換算してしまうと下がるという現象がでます。
レポートの5ページに今年の収入金額を過去3年間のレートで計算してみた表が掲載されていますが、例えばマンチェスター・ユナイテッドの278.5Mポンドは、2007年のレートなら413.7Mユーロ、2008年なら351.8Mユーロ、2009年なら327.0Mユーロになるようです。
もし、2007年ぐらいポンドが強ければ、413.7Mなのでマドリーを抜いてダントツでトップになるということですが、対ユーロのポンド下落がこんなところで影響を及ぼしているということです。

さて、シャルケを含めたドイツのクラブのランキングはこんな感じです。一番左が今年の順位。ブレーメンが初めて20位内に入り、昨年18位だったシュツットガルトがランク外に転落しています。

バイエルンは4位ですが、昨年よりも収入自体は下がっています。

躍進しているのがHSV。昨年の15位から一気に4位あげて、11位。
HSVは全カテゴリーで数字を伸ばしていますが、特にCommercialが増加しています。主な理由は胸スポンサーのEmiratesとの契約延長、また、スタジアムのネーミングライツについても、現在のNordbankがExit Clauseを適用して09/10シーズン限りで降りるため、新規にImtechとネーミングライツ契約を結んだことなどがあげられています。

ブレーメンは昨年のランク外から17位にランクイン。
胸スポンサーの新規契約(citibankからTargobankへ)、ユニフォームサプライヤー契約をカッパからナイキに変更したこと、あと、リーグの成績はよくなかったものの、UEFAカップ決勝まで進んだことや、DFBポカールをとったことが入場料収入のアップにつながっています。

シャルケはCLは予選で敗退、UEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)もグループリーグを突破できず、ポカールもベスト8で敗退と散々な成績だったので、入場料収入はほとんどリーグ戦によるところが多かったようです。
そういう意味では来年のFootball Money Leagueは、もっと順位を落とす可能性もあるとレポート内で述べられています。

ただし、Commercial部分に関しては、ガスプロムやアディダスとの長期契約、またスポーツマーケティング会社との2017/18シーズンまでの契約があるので、収入は比較的安定していると考えられています。