06 12 2017

シャルケはどこへ向かっているか

Published by at 9:15 PM under 1.Bundesliga,Schalke 04 News



金曜日、来シーズンも継続すると見られていたヴァインツィールがシャルケを解任され、ドイツ2部エルツゲビルゲ・アウエの監督であるドメニコ・テデスコが後任になることが発表されました。メディアの解任報道があって1日足らずの出来事でした。ハイデルはマインツでも、アンデルセン解任からトゥヘル内部昇格へ動いた時のように、決断してからの動きは驚くほど早いです。

継続から解任への変更には、コノプリャンカのヴァインツィール批判の影響があったのではないかと思われます。代表に合流したコノプリャンカは、ヴァインツィールのコミュニケーション方法を批判し、彼は臆病者だと発言。またヴァインツィールよりも自分の方がチームに長く残るだろうともコメントし、図らずもそれは現実となってしまいました。同じ頃、マイヤーがシャルケの契約延長を拒否したという報道も流れました。ヴァインツィールの求心力がすでに失われていると、ハイデルが判断したとしても不思議ではありません。

アウエの会長が公式サイトでテデスコ移籍の状況を説明していますが、先週半ばには代理人より、ブンデスリーガのクラブが興味を示していると聞かされていたようです。直後の金曜日午後には、シャルケから正式なオファーが届きました。テデスコのような優秀な人材なら、監督候補として事前にリストアップはされていたはずですが、実際に解任・正式オファーに動いたのは、まさにこの数日の出来事だったことが見てとれます。

私はシャルケの他に、アウエとパダボーンを追いかけているため、テデスコについてはアウエの監督就任時点から興味をもって試合を見てきました。また公式サイトのインタビューや試合前後の記者会見などを通して、その人となりを知る機会もありました。これまで自分が得た情報を元に考えると、テデスコを監督に任命したシャルケの「方向性」は間違ってはいないと思います。

テデスコの率いたアウエでの戦績を簡単に振り返ってみます。アウエは、22節のディナモ・ドレスデンとのダービーに、ホームで1-4と大敗し、ドチェフ監督が辞任。続く23節はアシスタントコーチが指揮を執り、24節よりテデスコが監督に就任しています。その時点でアウエは最下位。脱降格圏の15位とは勝ち点にして5もの差がありました。得失点差は-19。失点は40とリーグワーストでした。

ドチェフ前監督は4バック2ボランチ、トップにケプケを置く4-2-3-1で、戦術的に目新しいところはなく、端的にいってこれ以上の成長は望めませんでした。テデスコは初戦から3バックに変え、3-4-3/5-4-1をベースにチームを立て直しにかかります。21歳のサムソンをボランチからセンターバックにコンバート。また控えだった24歳のカリクも起用され、ディフェンスラインの右でレギュラーの座を勝ち取りました。若手ばかりではなく、35歳のティファートは中盤の要として、ビルドアップにも貢献するようになります。ヴュルツブルク戦での3点目のように、最終ラインのブライトクロイツからティファートを経由し、ケプケが決めた得点は、見事にはまったコンビネーションでした。

1試合平均1.8失点だった守備は、テデスコ就任以降は11試合で10失点(1試合平均1.1)とやや向上。クリーンシートも5試合あります。何よりも短期間で戦術的な決め事をチームに浸透させた早さは注目に値します。上位との対戦ではウニオン・ベルリンに敵地で1-0と勝利し、ハノーファーとの試合は1-2から最後に追いつきました。シュトゥットガルト戦は、攻め上がる局面はあったものの、テロッデの得点能力の前に3-0と完敗。両チームの選手の質を比較すると、止むを得ない結果だとも言えます。最終的に11試合で6勝3敗2分と勝ち点20を積み上げ、14位でシーズンを終えることができたのです。

イタリア・ロッサーノ生まれ、31歳の彼は、2歳の時に家族と共にドイツのバーデン=ヴュルデンベルク州に移り住んでいます。サッカー指導者としてのキャリアをシュトゥットガルトの下部組織で始め、2015年にホッフェンハイムのユースチームに移りました。「フットボリスタ」2015年12月号で、ホッフェンハイムのイノベーションチーム責任者が、「自分たちで”指導者のタレント”を見つけて哲学・やり方を植え付けていくというコンセプトを作り上げた」と語っていますが、当時U19を率いていたナーゲルスマンと同様に、テデスコにもホッフェンハイム流の指導方法は身に付いています。

プロチームを率いてたった11試合で、シャルケの次期監督の座を得たテデスコ。根底には、モダンな戦術をベースにしたチームへ変貌しなければ、リーグの趨勢から取り残されてしまうという、シャルケの危機感が見えます。シャルケで遅れているのは戦術だけではありません。例えばドルトムントやホッフェンハイムで導入されているフットボーナウト。あるいは脳の実行機能の開発に使用されているアプリケーション。練習の負荷を記録し適切な修正を行うプログラム。シャルケからはこういうテクノロジーに関する話は、これまでほとんど聞こえてきませんでした。おそらくこの領域ではかなり立ち遅れているのが、現在の順位にも影響しているのではないでしょうか。しかし、テデスコ就任が決まった直後のテニエス会長インタビューには、興味深い要素も含まれています。建設中のトレーニングセンターは、プロ選手用に計画の変更が加えられ、この1年でスカウティングシステムが革新的に向上したことにも言及しています。テデスコの任命には戦術と同時に、テクノロジーを駆使した指導ノウハウも取り込みたいという思惑もあるように感じます。

さて、彼がシャルケで結果を残せるかどうかですが、これについてはもう少しチーム編成が進まないと判断がつきません。ただアウエの試合を見る限り、ポジションのコンバートも含め、選手起用はユニークで、より多くの選手にチャンスを与える監督のようです。テデスコ自身もアウエ就任時のインタビューで、「それぞれの強みを生かし、選手がどのようなサッカーをしたいか、あるいはできるかに着目し、ふさわしいポジショニングをしていく」と答えています。リーグ終盤では、FWのケプケではなく、MFのクヴェシッチを真ん中に置いたゼロトップに近い布陣などを取っていました。シャルケでの選手起用がどうなるか楽しみでもあります。

彼が来た時のアウエの状態はまさにどん底で、監督が若かろうがプロチームの経験がなかろうが、100%彼の言うことを受け入れて実行するしか道はありませんでした。そういう意味では選手の吸収は早かったはずです。シャルケの様に毎年方針が変わるチームでは、新しい監督に対する心理的なハードルは高いでしょう。いかに早く選手たちを取り込み、前を向かせるか、これまで以上に監督の手腕が問われます。


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01 12 2017

2016年をビールで振り返る

Published by at 9:00 PM under Japan Life



年末年始も仕事に没頭し、おせちも雑煮も食べなかったせいか、新しい年になったという実感が今一つ湧きません。昨年もひたすら仕事に明け暮れた年でしたが、それでも国内外を旅行する機会に恵まれました。ようやく時間が取れたので、各地で味わった美味しいビールを通して2016年を軽く振り返ってみます。

2016年春:山口市(山口地ビール)



レノファ山口がJ2に昇格したことで、山口県に遠征するという楽しみが増えました。山口県出身として喜ばしいことです。



山口市で飲んだ地ビール4種。これ以外にもケルシュもあるんですよね。一緒に食べたピザも美味しくて大満足。醸造所のあるレストランは、足がないとなかなか行きづらいところにありますが、また機会があったらぜひ行ってみたいものです。

2016年夏:ロンドン・メリルボーン(Greene King IPA)



2016年は珍しく会社の夏休みにあわせて旅行をしました。サッカーを見ようと思うと、どうしてもシーズンオフは避けてしまうのですが、この時はリヴァプール対バルセロナのプレシーズンマッチのためにロンドンに行きました。
便利なので、宿泊するのはだいたいベイカー・ストリート近辺なのですが、ホテルから少し歩くとレストランやパブの多い通りに出ます。
ビール、ビールとウロウロしながらも、小心者なのでなかなかパブに入れず、やっと意を決して入ったInn 1888というパブで一杯。
東京でもIPAは良く飲みますが、暑い時期に飲む本場のIPAは格別でした。

2016年夏:ドレスデン(Feldschlösschen)



ロンドンからは旧東ドイツ側へドイツ二部の試合を求めて移動しました。といってもドレスデンへは観光ですけど。
Feldschlösschenはディナモ・ドレスデンの胸スポンサーでもあり、てっきりドイツのビールだと思っていたら、本社はスイスなんですね。観光客の多そうなレストランで、コワそうなおばさまがホールを一人で切り盛りしていましたが、料理もビールもワインも美味しかったです。

2016年夏:アウエ(Lotters Weißbier)



昨年くらいからエルツゲビルゲ・アウエの試合をチェックするようになりました。アウエについては他のポストでも紹介しています。ザクセン州でも山の中で、行く機会はないだろうなと思っていたのですが、ドレスデンやマグデブルクを訪ねた際に、思い切って足を伸ばしてみました。
泊まったホテルに併設されているレストランで醸造されているビールは、2016年に飲んだビールの中で最も美味しいものでした。ドイツ二部に昇格して、最初のホームゲームで勝利した後だったので特に。

2016年冬:スイス・ルツェルン(Eichhof)



11月にスイスへ仕事で出張しました。本社を訪れる前に、ワールドカップ・ヨーロッパ予選スイス対フェロー諸島戦を観戦するために、一日ほどルツェルンに滞在。
ランチで入ったイタリアンで出てきたEichhofは、ルツェルンの地ビール。リスのロゴが可愛いです。ほんのりと甘く、それでいて苦味もしっかりと感じました。
レストランに一人で入るのは苦手ですが、ビールを頼むとお店の人が笑顔になるのは嬉しいものです。

最後は2016年秋:千葉市(クラフトビール各種)



秋に、ジェフ対京都の試合後に友人同士で集まり、千葉駅近くのクラフトビールのお店でビールを楽しみました。
ジェフは残念ながらもまたしてもJ2でプレーすることになりましたが、サッカー話をしながらわいわいビールが楽しめるのはどこのディビジョンでも変わらないもの。2017年もホームでもアウェイでも美味しいビールを楽しみたい。(そしてできれば昇格の喜びをビールで味わいたいです)

では今年もどこかのパブでお会いしましょう。


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01 10 2017

『クラブ・デ・クエルボス』に夢中

Published by at 9:33 PM under Other Football

メキシコ・シティから車で三時間。ヌエボトレドは観光資源のない貧しい街です。しかしこの街には人々が誇りに思うものがひとつだけあります。それがメキシコ一部リーグでプレーするクエルボスFCです。

1979年に資産家のサルバドル・イグレシアスが元となるサッカーチームを買収、84年には一部リーグへ昇格と、クラブは順調に成長を続けてきました。ゼネラルマネージャーのフェリックスは、強豪のパチューカから誘いが来るような辣腕家で、オーナーのサルバドルと共に8年計画をかかげ、長期的な視野でクラブの将来を考えています。リーグを裏で牛耳る大物代理人の悪影響も排除し、スタジアムや施設も他チームにひけをとらない立派なものです。「クラブ・デ・クエルボス」の未来は輝いていたのです……サルバドルが急死するまでは。



Netflixオリジナル作品「クラブ・デ・クエルボス」は、サッカー好きならどこか感じるところのある、良質なドラマだと思います。架空の町ヌエボトレドを舞台に、新会長の座をめぐって母親違いの姉と弟が激しく争う愛憎劇を面白おかしく描き、さらに登場する全ての人物が魅力的です。そしてチームは、胸のすくような勝利もありますが、肝心なところでは勝てず、努力する者が必ず報われるということもありません。みんなが勝手な自己主張をし、欲望のままに生き、人に迷惑をかけては相手が悪いと責めます。一度はうまくいったかのように見えても、次には人生の悲哀を感じさせる出来事が起こるのです。この試合に勝てばプレーオフ、あるいはこの試合に勝てば残留。でも待ち構えているのはやるせない現実だったりします。サッカー好きなら共感する部分も多いかもしれません。

シーズン1では、弟のチャバ・イグレシアスが会長となります。口がうまく、当初は熱狂的に迎えられますが、自分が一番でありたいと強く願いすぎることで、次々と問題を巻き起こします。そしてチャバが、南米のレアル・マドリードを目指して、数々の無謀なアイデアをごり押したことで、クラブは徐々に壊れていきます。

姉のイサベルは父の生前からクラブ経営を助け、いずれは自分が会長になると考えていたのですが、女であることを理由に、一族やマネージャーのフェリックスに頭を押さえられます。イサベルもまた自己中心的で気が強く、カッとなると余計なことまで口走ってしまう欠点を持っているのです。さらに遺産の相続をめぐって、故サルバドルの子供を宿していると主張する謎の美女マリ・ルスが登場。家族間の問題をもっと複雑にしていきます。



私が個人的にすごく好きなのはチームに所属する選手たち。この架空のチームのサポーターになりたいくらいです。

女好きでだらしがないけど、どこか憎めないフォワードのポトロ、レギュラーの座を獲得するために、チームメートに入れ知恵され、娼婦(?)を使って監督に取り入るトニー。浮気により壊れた妻との関係を取り戻すために必死なモイセス。23年間クラブ一筋にプレーし、引退を間近に控えるGKのラファエル。特にシーズン1のラファエル引退試合の回は、涙なくしてはみられませんでした。

あと、途中から登場するアイトルという選手の強烈な個性。バルセロナでプレーしていた現役スペイン代表の彼は、有名なお騒がせセレブ。数々のゴシップを繰り広げてきたこのスター選手の性癖ときたら。



とにかく見始めたら止まらなくなり、週末二日間でシーズン1(13話)、シーズン2(10話)を全部見てしまいました。ラテン系らしくエロも満載です。出てくる俳優たちがみんな素敵なので、気が向いたらぜひ鑑賞をお勧めします。

そして見た後にはみんなで一緒に叫びましょう。
クエルボス!クエルボス!

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12 25 2016

映画『Trainer!』に見るプロサッカー監督

Published by at 2:29 AM under 2.Liga,3.Liga



「監督!」(Trainer!)というドキュメンタリー映画が2013年に公開され、ドイツで大きな話題になりました。三人のプロサッカーチームの監督を一年間追いかけ、サッカー監督とはいったいどういう職業なのか、その適性とは何か、何が正しくて何が間違っているのか、現代のドイツサッカーを取り巻く問題点は何かなど、様々なことを見る者に問いかける非常に優れたドキュメンタリーです。

メインとなる三人の監督は、当時3部だったハイデンハイムのフランク・シュミット、2部のザンクト・パウリで2年目を迎えたアンドレ・シューベルト、SCパダボーンで監督に就任したばかりのシュテファン・シュミットです。

この2012/13シーズンは結果から言うと、シューベルトは7試合、シュテファン・シュミットはシーズンの最後2試合を残し、それぞれ解任されています。フランク・シュミットのハイデンハイムは目標の昇格に一歩届かなかったものの、クラブ史上最高の5位でシーズンを終えました。

彼ら三人以外に、ドイツサッカー連盟で監督を指導する立場にあるフランク・ヴォルムートや、ザンクト・パウリでシューベルトのアシスタントコーチをしながら、ヴォルムートの元でライセンス取得に励むトーマス・メグル、さらに要所要所にミヒャエル・オエニンク、ユルゲン・クロップ、ハンス・マイヤー、アルミン・フェー、トーマス・シャーフ、ミルコ・スロムカ、ペーター・ノイルーラーといった監督たちの話がはさまれます。

中でもハイデンハイムのシュミット監督の個性がこの映画を非常にユニークなものにしています。フランク(パダボーンのシュテファン・シュミットとの混乱をさけるため名前で表記します)は、2007年にハイデンハイムの監督に就任。この年にサッカー部門が独立して、現在の1.FCハイデンハイムに名前が変わっています。

映画の中でフランク本人も言っていますが、監督になる前に4年ほど企業で働いた経験があり、部下に面と向かって仕事の評価・査定を伝えることは、会社勤めで慣れているのだそうです。性格は激しく負けず嫌い、選手が怒鳴られるシーンはかなり迫力があります。しかし一方で選手とのコミュニケーションの取り方は興味深く、チームの中心選手を集め、ピッチの上ではこういう態度をとって他の選手を導いて欲しいと議論する場面など、随所にマネージメントのうまさを感じます。

フランクに比較すると、パウリのシューベルトとパダボーンのシュテファンは、コミュニケーションの取り方に未熟な部分を残しているように見えます。さらにシューベルト、シュテファン両方の監督から指導を受けたナキという選手を挟むことで、二人の違いも際立たせる構成になっています。

サッカー監督としての仕事の進め方は、何が正しくて、何が間違っているのか。ドイツサッカー連盟のヴォルムートの発言が答えを導く手がかりとなります。それはプロサッカー監督のライセンス(Fußballlehrer)を得るための実技講習の場面でした。取得を目指す受講生たちが実際に選手を指導し、それを録画してヴォルムートが気になる点を指摘するのですが、ストレスのかかる状態での振る舞いを映像で見せられた受講生が、『少し感情的だった』と自己分析したことに対し、ヴォルムートは、『感情的であることは悪いことではない。クロップもトゥヘルも感情的だ。悪くはないんだ。そこは評価の対象ではない。映像を見せたのは、その方法で続けるか自分で決めさせるためだ』と答えます。

シューベルト、シュテファン、フランク。三人はそれぞれに監督としての仕事を天職だと感じ、情熱を持って取り組んでいます。皆が自分のやり方にコミットし、仕事をしている間は迷いなく突き進みます。ヴォルムートの言う、『その方法で続けるか自分で決める』はできているのです。ではなぜ思うような成績を残せなかったり、解任されたりするのでしょうか。

見ていると、フランクと他の二人は明らかに少し違うと感じます。シューベルトやシュテファンが、どこか自分の理想とする監督像を追っているように見えるのに対し、フランクはすべてにおいてリアリストです。あいまいな願望や希望交じりの推測はそこには存在しません。ヴォルムートの評する通り地に足がついているのです。しかしそんなフランクにも、チームが勝てずに順位を下げると危機は訪れます。フランクを救ったのは彼の能力を信頼し、後押ししてくれるゼネラル・マネージャーの存在でした。

プロサッカー監督を取り巻く環境はますます厳しくなっています。加熱するメディアの報道、クラブの重役たちの無理解、責任を逃れるスポーツディレクター。映画の中でクロップがキッカーよりもシュポルトビルトの方が売れていることを嘆きますが、事実よりもセンセーショナルであることが優先され、サッカー監督の仕事に理解の乏しいクラブ上層部がある限り、状況はますます難しいものとなっていくことは間違いないでしょう。

最後に映画に登場した人たちの近況を。
ハイデンハイムは翌シーズンには3部で優勝し昇格しています。2位はRBライプツィヒでした。ここに3位のダルムシュタットを加えた3チームは、他を寄せつけない強さだったのを覚えています。映画でも語られるように、フランクの率いるハイデンハイムは、近い将来にブンデスリーガに昇格するだろうと私も思います。

アンドレ・シューベルトはドイツサッカー連盟でユースの指導をした後、グラートバッハU23監督となりました。その後、ファヴレの後任としてボルシアをCLへ導いたものの、先日、成績不振で解任されたことは記憶に新しいところです。
シュテファン・シュミットは翌シーズンに、エネルギー・コットブスを途中から率いたのですが、4か月で解任。現在はシャルケU17を指導しています。

シューベルトの後にパウリを引き継いだトーマス・メグルは、暫定で2試合ほど監督を務め、その後はアシスタントコーチとしてライセンスの取得に専念。当時ホッフェンハイムIIで監督だったフランク・クラマーについで、2番目に良い成績でFußballlehrerのコースを終えています。蛇足ながら3番目で表彰されたのはハヴェルセで監督をしていたブライテンライターで、翌シーズンからシュテファンの後をついでパダボーンの監督に就任しています。

“Trainer!”はNetflixで見ることができます。なんと日本語字幕付きです。とてもよくできたドキュメンタリーで、サッカー監督という職業について、きっと見方が少し変わると思います。

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12 10 2016

パダボーンにエメルリンク新監督

Published by at 1:46 PM under SC Paderborn 07

パダボーンのミュラー監督が解任され、ケルンU21でユースを指導していたエメルリンクさんが新たに監督としてパダボーンにやってきました。
と同時に、退任したフィンケも会長としてクラブに戻ってきました。
個人的には戻ってくると思っていたよ、フィンケさんという感じです。とてもアクの強い人ですが、フィンケ会長がいなくなったパダボーンは、良くも悪くも個性のないチームになった気がして、成績よりもその点がちょっと寂しかったのです。

プレスカンファレンスでフィンケは「パダボーンは私の赤ちゃん」と言っていましたが、一つのクラブに愛情を惜しみなく(金は惜しむけど)注ぐことができる存在はやはり大切だという気がしました。(数年後にはフィンケやめろと言っているかもしれないけど。笑)
フィンケの構想では2年で再びツヴァイテに戻ることを考えているようです。できるできないは別として、何よりもクラブとしての目標をはっきりとさせることは重要なことですよね。

ところで解任されたミュラー元監督ですが、彼のことは現役時代から好きで、彼がパダボーンの監督をすることにロマンは感じていましたが、能力的にはかなり厳しく、エッフェがとったマンマークをそのまま踏襲して失点を重ねました。監督としてはもうどこでも復帰できないのではないかと危惧しています。

新たに就任したエメルリンクの能力はまだ未知ですが、3度ほどトレーニングをした後に、チームについてかなり手厳しいことを言っています。
「選手たちは自信をなくし、勇気もない。横パスやバックパスが多く、お互いの明確なコミュニケーションやはっきりとした取り決めもない」

もちろん批判だけでなく、自分の分析を選手たちと共有し、考えるきっかけになって欲しいとコメントしています。
個人的には選手の質はそれほど低いと思っていないのですが、守備面でチームとして機能しているところがあまり見られないので、監督の言うように決まりごとをはっきりとさせて、失点を減らすことにまず着手して欲しいなと思います。

今節はやはり残留を争っているプロイセン・ミュンスターとの対戦。このところ好調なミュンスターは4連勝中。厳しい相手ですが勝てば勝ち点では並ぶことができるので、パダボーンにはなんとか食らいついて、サポに希望を見せて欲しい。

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09 03 2016

2015/16 シャルケ・シーズンレビュー

Published by at 1:57 PM under 1.Bundesliga,15/16,Schalke 04 Games

いつもの通り、別サイトで昨シーズンのシャルケのレビューを書きましたので、こちらにも転載いたします。
毎回お忙しい中、時間を割いてまとめてくださる暁さんには本当に感謝です。



内外の逆風に苦しめられたブライテンライター


ブライテンライターとシャルケは不思議な縁がある。2000-2001シーズン最終節、先に試合を終え、優勝をほぼ手中にしたシャルケは、4分後にバイエルンの逆転優勝でどん底へ落とされた。その試合、ブライテンライターは対戦相手のウンターハヒンクでゴールを決めている。敗戦し、降格したにもかかわらず、シャルケサポーターの悲劇の前には、それすらも小さなことのように感じたと語っている。

一昨シーズンのシャルケ・ホーム最終戦。当時の監督だったディ・マッテオは、試合後、観客から凄まじいブーイングを突きつけられた。奇しくもその試合で、対戦チームの監督をしていたブライテンライターには、大きな拍手が送られた。その時、自分はここで監督をするべきだと、ブライテンライターが確信したのも理解できないことではない。
シーズン終了後に解任されたディ・マッテオの後任として、ブライテンライターは候補の3番手ながら、監督の座を手にした。就任にあたりマネージャーのヘルトは、順位のノルマは課さないと明言した。しかし、テーニース会長はこの選択を100%支持していなかったと、一部の報道関係者がリークしている。

シーズン開幕から前半折り返しまでは、予想以上に素晴らしい結果となった。第7節終了時点で、勝ち点16、首位から5ポイント差の3位というのは、この20年(勝ち点3方式になった1995-96シーズン以降)で最高のスタートだった。

にもかかわらず、ブライテンライターを取り巻く環境は厳しかった。シャルケに彼を連れてきたヘルトは、シーズン限りでクラブを去ることが決まり、後任としてマインツのハイデルの名前が取りざたされた。

後半戦が始まった1月には、独「スカイ」が、匿名のクラブ関係者の取材を元に、監督の資質について疑問を投げかける番組を放送している。放送は戦術や練習内容への疑問に加え、監督への人格批判も含んでいた。フェアマンを筆頭に、選手は監督を支持し、報道そのものはすぐに霧消したが、この時の内容が最後まで足を引っ張ったことは否めない。

独「ビルト」とスカイはその後もネガティブキャンペーンを繰り返し、第30節バイエルン戦の試合直前には、スカイのレポーターが、その時点では憶測に過ぎなかった後任監督決定について、ブライテンライターにカメラの前でコメントを迫っている。

数字だけを見ると前半は8勝6敗3分。後半は7勝6敗4分。前後半どちらも負けた相手はバイエルンのみである。ヨーロッパリーグも無敗で決勝トーナメントに進出した。ベストとは言わないまでも、悪い結果ではない。にもかかわらず、クラブとメディアからはここ数年で最も酷い扱いを受けた。

守備では、多くの解決できない問題が山積していたのは事実だ。ナスタシッチの怪我による早期離脱、ヘーベデス不在の間は、マティプとノイシュテッターがセンターバックに起用された。ガイスが二人の間に下りてくる形で、当初はビルドアップの起点になることも期待されたが、外へのロングボールが多く、想定したほどには機能しなかった。

マティプの安定感はともかく、コンビを組むノイシュテッターは、シーズンが深まるにつれ、裏と表の両方に一人で対応しなければならない局面を、何度も利用されるようになった。連動して守りたいサイドバックのカイサラは、守備に問題があるだけでなく、不用意なパスで決定的な場面を作られていた。
中盤や前からのプレスは、試合の前半には見られたが、途中から消滅することが多かった。シーズンを通して、ナスタシッチ、ヘーベデス、内田の三人が起用できなかったことが、チームに与えた影響は大きい。

トップレベルのクラブで監督を務めるには、ブライテンライターに経験不足の部分があったことは、確かに否めない。パーダーボルンでは、1試合を通じて、選手がゲームプランを忠実に遂行したが、シャルケではうまくいく時とそうでない時の差が大きかった。
象徴的なのは第31節、レーバークーゼンとの試合だ。前半はビルドアップとプレスが機能したが、後半に入ると、レーバークーゼンの修正に対応できず、失点を重ねた。シャルケは1試合の中で、また、シーズンを通じて波のある試合を繰り返したが、これが指導力の欠如なのか、メンタルも含めた選手の資質と傾向なのか、このチームを長年見ていても判断のつきかねるところがある。

攻撃においては、縦に素早くボールを動かした時は見事なゴールにつながったが、相手に守備を固められると、崩しのパターンは正確さを欠いた。それでも、環境のサポートがあれば、最終順位がチャンピオンズリーグに届いてもおかしくはなかった。マックス・マイヤーやゴレツカ、サネのような若手の能力を引き出した功績も大きい。ドルトムント戦やバイエルン戦のように、フォーメーションを替えて、選手に役割を徹底させ、チーム戦術の土台も導入した。後を継ぐワインツィアルにとっては有益な下地となるだろう。

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07 30 2016

エルツ山地のアウエの話

Published by at 11:30 AM under 2.Liga

2015/16シーズン、エルツゲビルゲ・アウエがドイツ三部で2位となり、二部へ昇格しました。その前年に降格したばかりなので、1年での二部リーグ復帰となります。



一昨シーズンの降格と同時に、クラブを離れたスティピッチ監督の後任として、パダボーンでも指揮を取ったことのあるパヴェル・ドチェフがアウエの監督となりました。ドチェフさんはその前年に、三部のプロイセン・ミュンスターで監督を務めていましたが、序盤のスタートの良さを生かせず、最終的にミュンスターを昇格させるに至りませんでした。それだけに、アウエが一年で戻ってくるかどうかは心配していたのですが、2位となり見事に自動昇格。しかもホームでは負けなしという勝負強さを発揮しました。リーグ優勝したディナモ・ドレスデンとは、どちらの試合も1-1の引き分けでしたが、ザクセンポカール準決勝で、ドレスデンのホームで対戦したときは、3-0と圧勝しました。

アウエは二部でもずっと地味なクラブで、一時期はアウエに負けると、翌日に対戦チームの監督が解任されるという出来事が頻発しました。アウエに負けるなんて!という共通認識がどのチームにもあったのではないかと思います。サッカーのスタイルも、引きこもって相手チームを泥沼に引きずり込むという、見ていて退屈なチームでした。

2012/13シーズン終了時には、アウエの宝ともいえるホフシャイトを、ブラウンシュヴァイクに引き抜かれます。この年、アウエには初の日本人選手となる石原卓選手が在籍。当時はVfRアーレンで、現甲府の阿部拓馬選手がプレーしていたこともあり、なんとなくこの二つのチームの動向を気にしていました。この時はディナモ・ザグレブから0.6Mユーロで移籍してきたFWのジルベストルが、得点王になる活躍で、アウエにしては14位と健闘。しかし、シーズンの終わりには、ジルベストルをクラブ至上最高金額となる1.7Mユーロでニュルンベルクに売却。アウエはそのお金で芝暖房を完備した練習場の改築を行っています。

さらに2014/15シーズン。開幕4連敗後に解任されたゲッツ監督の後を継いだのは、クロアチア人のスティピッチ。彼が監督をするようになって、初めてアウエのサッカーを面白いと思うようになったのですが、ジルベストルを失ったことによる得点力不足はいなめず、最終節で降格しました。

アウエは1945年にSGアウエとして創設。東ドイツ時代は国のスポーツ政策により、近郊のケムニッツ(当時カール=マルクス=シュタット)にクラブ名を変更されます。しかしSCヴィスムート・カール=マルクス=シュタットに名前を変えられたアウエは、1955、56、59年とリーグで優勝。黄金期を築きます。1963年にようやくカール=マルクス=シュタットが独自のチームを創設したため、BSGヴィスムート・アウエという名前に戻ります。

その後は、東西ドイツ統一を経て、1993年に現在のFCエルツゲビルゲ・アウエという名前になりました。エルツゲビルゲとは一つの山という意味で、チェコまで連なるエルツ山地を指しています。いまでも40キロ離れたケムニッツFCとのダービーは、非常な盛り上がりを見せます。

エルツ山地ではビスマスなどの金属鉱物が多く産出されました。チームの愛称Wismut(ビスマス、蒼鉛)は彼らが歌うチャントの中にも多く織り込まれています。またアウエは、他の鉱山労働者のチームであるシャルケや、エッセン同様、試合前にSteiger Lied(冒頭のYouTubeの曲)を歌うクラブでもあります。

昨シーズンは、ホームでの試合後に選手たちが頭の上で腕を交差するポーズがずっと気になっていたのですが、これは鉱山を掘る時に使う⚒つるはしを組み合わせた状態を表しています。アウエではユースの小さな子供達も、試合後にこのポーズをします。

Die Hämmer!

FC Erzgebirge Aueさん(@fcerzgebirgeaue)が投稿した動画 –



メインスタンドを改築する工事が昨シーズン途中から始まり、試合を開催しながら工事を進めていたため、中継を見ていると、ボールがスタンドの工事現場に入り込んで出てこないというハプニングなどもありました。また工事中にスタジアムに住み着いた猫のMuschiが、インスタグラムで人気者となっています。

#Stadionkatze: Hübsch machen fürs Fotoshooting!

Stadionkatze Aueさん(@stadionkatze)が投稿した写真 –



さて、二部に昇格した2016/17シーズン。同じく昇格したディナモ・ドレスデンと異なり、中心選手がほとんど流出していないのは好材料です。スティーブ・ブライトクロイツとリードルを中心にした守備は、昨シーズン、リーグ戦38試合で失点21という記録的な堅守を見せています。レンタル移籍ながら、昇格の立役者となったケプケをカールスルーエから買取り、二列目のソウコウ、スクラティディス、クヴェシッチも好調。さらにニッキー・アドラーも控えています。
ハノーファーとの練習試合のハイライトを見る限りは、二部の破壊力のあるチームに守備がどれだけ持ちこたえられるかが、リーグ躍進の鍵となりそうです。

エルツ山地のアウエの話 はコメントを受け付けていません。

07 26 2016

パダボーンの降格と新シーズンに向けて

Published by at 10:57 PM under SC Paderborn 07

2015/16シーズンはブンデスリーガ一部から二部に降格し、新監督で臨んだパダボーンですが、最終的に18位で三部に自動降格という結果になりました。三部が創設された2008/09シーズンから見ても、一部から三部まで毎年ストレートに降格したのはパダボーンが初めてのことになります。降格と共に、20年クラブに奉仕してきたフィンケ会長も辞任。数々の優秀な監督をいち早く見つけ、パダボーンに連れてきたボルンSDも、解任されチームを離れました。一つの時代が終わったことを強く感じます。

昨シーズンは、11月にフライブルクまでパダボーンの試合を見に行きました。ちょうどエッフェンベルクが監督に就任して5試合目のことでした。



フライブルクのシュトライヒ監督にも会えるので、この試合をとても楽しみにしていたのですが、パダボーンが守備の脆さを露呈し、ペーターゼンにハットトリックをされる散々な結果となりました。



シーズン初めから指揮を執っていたゲルハウス監督は、10節に最下位のデュイスブルクに敗れ、解任されました。後任のエッフェンベルクは、初戦のブラウンシュヴァイクとの試合に2-0と勝利しましたが、その後は、このフライブルク戦を見ても顕著なように、守備の決まりごとをほとんど構築できないまま、チームを徐々に崩壊へと導きました。

ただし、パダボーンが降格した理由はエッフェンベルクだけではありません。地元紙の特集によると、一部から降格した際に18人も移籍したことでチームが壊れ、チームスピリットやリーダーシップも損なわれてしまったこと。残ったうちの何人かは移籍を望み、給与格差に不満を抱く選手もいたこと。特にあとから高額でレンタル加入したジルベストルとヘレニウスの存在は、完全にチームの給与体系を破壊しました。

さらに、第18節ボーフムに4-0で負けた後、ダニエル・ブリュックナー、マヒア・ザグリク、スルジャン・ラキッチが、チームから追放される事件がありました。チームメイトはこれを横暴だと感じ、三人の追放がなぜなのか理解できませんでした。おそらく、エッフェンベルクがうまくいかないチーム管理に、見せしめとして力を誇示したかったのだろうと推測しますが、本当のところはわかりません。ブリュックナーは長年このクラブでプレーしていただけに、この追放を機に彼がチームを去ったことは未だに残念でなりません。

冬のトレーニングキャンプでも騒動が起こりました。最終日の打ち上げで、キャンプの調整をしていた会社の女性が、泥酔したFWのプロシュヴィッツからハラスメント受けたと告発。プロシュヴィッツはチームから解雇される事態となり、管理責任を問われたエッフェンベルクも辞めるのかと思いましたが、この時点では続投という選択がなされました。

エッフェンベルクはその後も23節まで指揮を執りましたが、ライプツィヒ戦に1-0で負けた後に、新たなスキャンダルが起こりました。それは、彼の持っている監督ライセンスが、履修を受けるという要件を満たしていなかったため、適格ではないというものでした。度重なる事態に、ついにフィンケ会長はエッフェンベルクの解任を決め、ユース部門の責任者であるミュラーが後をつぎました。
ミュラーはこれまでも監督が解任されるたびに、リリーフで暫定監督を務めていましたが、今回初めて正式にパダボーンの監督に就任。ただ、残り11試合は2勝5敗4分という成績で、結局、降格は免れることができませんでした。

今季は7シーズンぶりに三部からのスタートとなります。前回落ちた時は入替戦を経て、1年で二部に戻ることができましたが、その当時から比べると三部のレベルは格段に上がり、どのチームにとっても勝つことが非常に難しいリーグとなっています。
監督はそのままミュラーが続けます。ミュラーにとってはプレシーズンを経験し、きちんと準備して迎えるのは初めてのことです。実のところ、昨シーズンの采配を見る限り少し不安はあるのですが、昇格云々よりも、とにかく三部残留だけはしてほしいというのが偽らざる今の気持ちです。

選手も大幅に変わりましたので、簡単にまとめてみます。ちなみにどの新規加入選手もフリートランスファーです。

新規加入

パスカル・イッター(SVグレーディヒ)右SB

イッターはシャルケでもプレーしていたので、パダボーンに加入してとても嬉しいです。オーストリアのグレーディヒに移籍したのですが、降格とともにドイツに戻ってきました。

ファン・デル・ビーゼン(アルミニア・ビーレフェルト)FW

ビーゼンはお隣のビーレフェルトからやってきました。カールスルーエでもプレー経験があり、193センチと長身です。地元紙の報道によると、彼がFWの柱になる可能性が高いようです。

ディノ・メジェドヴィッチ(ヴォルフスブルクII)FW

ひそかに一番期待しているメジェドヴィッチ。昨シーズンはヴォルフスブルクIIでレギオナルリーガ・ノルトで優勝し、得点王になっています。

クリスティアン・シュトローディク(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)CB

昨シーズン、フォルトゥナ・デュッセルドルフにあっさりと移籍したシュトローディクですが、出場機会を求めて古巣へ戻ってきました。ポカも多いのですが、マイペースなところが妙に憎めない変な選手です。愛称はタッカー。2014/15シーズンにパダボーンで試合があった時には、内田選手とユニフォーム交換をしたヤツでもあります。



マルク・クルスカ(FSVフランクフルト)MF

パダボーンと同じく降格したFSVからクルスカが加入。まさかパダボーンに来るとは思わなかったので、ちょっとびっくりしました。ボランチでスタメンを確保しそうです。

あとはまだよくわからないので名前だけ。少しずつ覚えていかないと。

ベン・ツォリンスキ(ノイシュトレーリッツ)右SB

スヴェン・ミヘル(エネルギー・コットブス)左サイド

フェリックス・ヘルツェンブルッフ(RWオーバーハウゼン)左SB

ニコ・ドブロス(キッカーズ・オッフェンバッハ)MF

ティム・マネク(パダボーンU19)FW

ティル・ブリンクマン(バダボーンU23)GK

アイクト・ソヤク(バダボーンU23)DMF

ヤン・ステフェン・エリサ(パダボーンU19)CB

セミール・サリッチ(パダボーンU19)MF

地元紙によると、現在の布陣はこんな感じとのこと。フォーメーションは4-1-4-1か4-3-3だそうですが、ミュラーによると、対戦相手を見て考えるとのことです。プレシーズンを見ていないので、どんなチームに仕上がっているか、不安でもあり楽しみでもあります。



契約満了、あるいは移籍した選手たち

どの選手にも思い入れがあるので、別れはいつも辛いです。また、せっかく移籍してきたものの、怪我に泣かされ、プレーするところを見られなかったキルヒや、理由もわからず干されてしまったラキッチは、現役引退となりました。このような終わりを迎えて本当に残念です。

マルセル・ヌジェング

ワトフォードとのプレシーズンマッチで決めたロングシュートが、FIFAの2015年プスカシュ賞の候補になったりしましたね。ベテランらしいプレーもあったと思うのですが、エッフェンベルクになってからはスタメンで使われることもほとんどなくなりました。スペインのアトレティコ・バレアレスに移籍が決まっています。

ミヒャエル・ハインロート

パダボーンでも大好きな選手の一人だったハイニー。チームを去ることは早いうちから本人が知らせていましたが、最終的にオランダのNECナイメヘンでプレーするが決まりました。バイエルンと対戦した時にリベリー相手に頑張っていた姿が今でも忘れられません。オランダでの成功を祈ります。いつかまたドイツに戻ってきてね。



ハウケ・ヴァール

二部で一番のイケメンと言っても過言ではないヴァールは、インゴルシュタットへ移籍しました。今季から、インゴルシュタットの監督がカウチンスキさんになったので、カールスルーエで対戦して、ヴァールのことは知っていたのではないかと思います。いつかは一部でプレーするだろうと思っていたのですが、こんなに早く実現して嬉しいような寂しいような。頑張ってほしいです。

マルヴィン・バカロルツ

ハノーファーに移籍。キャプテンとして、大変だったチームを支えてくれたバカロルツには感謝の言葉しかありません。二部に降格した昨季も、パダボーンでプレーしてくれて、本当にありがとう。

ケヴィン・シュテーガーとドミニク・ウィドラ

二人は揃ってボーフムヘ移籍することになりました。特にシュテーガーは昨シーズンは見ているだけで楽しい選手でした。きっとこの先も良い選手に成長すると期待。

カレド・ナレイ

ナレイはドルトムントU23からレンタルでプレーしていましたが、個人的に好きなタイプの選手でした。パダボーンもシーズン終了後にオファーをしたのですが、残念ながら断られたようです。その後フュルトへの移籍が決まりました。

モリッツ・ストッペルカンプ

パダボーンで伝説を作ったストッペルカンプもチームを去ることになりました。昨季は、おそらく、最初のうちは移籍したかったことだろうと思いますが、残留争いをしていた最後の方は、一生懸命チームを引っ張ってくれました。カールスルーエでの活躍を祈っています。



ラファ・ロペス(レアル・バジャドリード)

ダニエル・ホイヤー=フェルナンデス(ダルムシュタット)

ニクラス・ホーヘネーター(ホルシュタイン・キール)

マルク・ブラスニッチ(レンタル終了。フォルトゥナ・ケルンへレンタル)

フロリアン・ハルテルス(アルミニア・ビーレフェルト)

イドール・ウアリ(コルトレイク)

マヒア・サグリク(移籍先未定)

ミルネス・ペピッチ(エルツゲビルゲ・アウエ)

スレイマン・コチ(移籍先未定)

オリヴァー・キルヒ(引退)

スルジャン・ラキッチ(引退)

ニクラス・ヘレニウス(レンタル終了。オールボーに復帰)

ヤクブ・ジルベストル(レンタル終了。ニュルンベルクに復帰)

三部の開幕は7月29日金曜日。開幕試合はデュイスルブルク対パダボーンです。


 

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03 29 2016

クラブの年次報告書を読む

Published by at 9:00 PM under Schalke Finance



2015年度(2015年1月~2015年12月)のシャルケの年次報告書が発表されました。

シャルケは株式市場に出ているわけではありませんが、社債(サポーター債券)を発行しているので、2012年度から決算の数字を公表しています。

概要をまとめると、売上高は264.5ミリオンユーロ(330億円。以下ミリオンはMで表示。0が6個つきます。日本円には125円で換算)、当期利益は22Mユーロ(27億円)、また期末時の現預金は18M(22億円)。さらに2010年からの5年間で100Mユーロ(125億円)の借金を減らし、現時点での債務残高は146Mユーロ(182億円)とのことです。借金の内訳は2019年7月に期日が来る社債(サポーター債権・年利6.75%)が60.8M、金融機関借入金が45.4M、移籍金未払金が19M、その他が21Mというところでしょうか。

最高額を記録した収益は以下のようになっています。単位は000ユーロ。左の欄が2015年、右が2014年です。日本式の表示だと右に向かって新しく並べたいところですが、ドイツ方式で新しい方を左に表示しています。



入場料収入、スポンサー収入、放映権料の3本柱が、昨年に比較して少しずつ落ちています。一方でマーチャンダイズ(商品売上)、ケータリング事業、その他の収入が増えています。その他の11.5Mのうち、6.2Mはクラブ会費です。年50ユーロで、この収入は人数に応じて増えることはあっても、減る性質のものではないでしょう。

選手の移籍による契約違約金の恩恵も受けています。50.9Mの内訳は下記の通り。
数字はtransfermarktから拾ってきましたので、開示されていない部分で誤差はあるかもしれません。



経費、税金を引いた後の最終的な利益は22Mユーロ。移籍金50.9Mがなければ赤字決算になったかどうかの判断は難しいところです。ドラクスラーを売却していなければ、経営バランスを取って、選手や設備への投資を積極的に進めてはいなかったはずです。

貸借対照表(バランスシート)をチェックしてみます。

サッカー選手に例えると、売上や経費を表す損益計算書が1シーズンのパフォーマンスだとしたら、貸借対照表は選手の能力や将来のポテンシャルという財産を見るものといえます。
まずはプラスにあたる資産の一部。



選手資産は昨年の25.7Mから39.3Mと13.5M増えています。ドラクスラーが移籍したのだから、資産価値が下がるのではと考えがちですが、実はドラクスラーの移籍は会社の財産を表すバランスシートに全く影響がありません。彼はユース出身なので、これまで値段がつけられたことがなく、資産価値はゼロだったのです。
ユース選手の会計上の価値については、FIFAマスターで勉強された宮本恒靖さんがコラムにかかれています。

一方で2015年中に違約金を払って獲得した選手は6名。レンタル料の発生しているホイビュルクと金額の少ないニュベルは表からは省略しました。



移籍金を払って選手を獲得した場合、かかった費用は一度に経費として落とすことはせず、無形資産としてバランスシートの「選手資産」に計上します。
ガイスを例にとると、シャルケがマインツへ支払った額は12M。契約期間は4年なので、1年に経費として資産から減額できる金額は1/4の3M。ただし2015年は7月からの契約なので、3Mの6ヶ月分1.5Mを「償却費」としてトータルの12Mから引きます。その結果、ガイスの2015年末での会計上の資産価値は10.5Mです。

12,000,000 – (12,000,000 ➗ 4 x 1/2)= 10,500,000

2016年はこの10.5Mから3Mが引かれ、年度末には7.5Mが資産価値になります。これを契約期間の満了まで続けます。ただし、途中で契約更新した場合は、残った金額をさらに延長した期間で割って償却を続けます。



2015年に獲得した選手の期末資産価値トータルは28.5Mユーロ(35億円)です。

一方で移籍した選手のうち、2015年に残高が残っていたのはボアテング、オバジ、フクス、サンタナ。2015年度初めには彼らは合計で7.8Mユーロ(9.8億円)の価値がありましたが、移籍したのでこの年に全額経費として計上し、資産をゼロにします。
この時点で会計上の選手資産価値は(新規)28.5M -(移籍)7.8M = 20.7Mです。



移籍した選手以外に、ゴレツカやアオゴなど、過去に移籍金を払って獲得した選手もバランスシートに載っています。彼らを足してトータルで39Mが、シャルケ全体の選手資産になります。
なおシェプフは2016年1月の契約なので、2015年12月末にはまだ含まれていないはずです。余談ですが、現在ドイツ二部で3位のニュルンベルクが、来季一部のライセンスを得るためには、累積赤字をある一定の額まで減らすという条件が付いており、シェプフの売却はクラブの財政をかなり助けるものだったようです。

マイヤー、レロイ、コラシナツ、マテップ、ヘヴェデス、フリードリッヒ、ケーラー、リーゼ。さらにレンタル中のアヴディヤイ、ヴェレンロイター、アイハン、プラッテなど、シャルケユース出身の選手は会計上の資産価値はゼロです。移籍した時に初めて金額に換算可能となります。ヘヴェデスがもしこのまま引退までシャルケでプレーすると、会計上の価値はゼロのままです。ただし契約が残っている時点で移籍すれば、他クラブはシャルケに対し移籍金が発生します。つまり彼らユース出身者には含み益があるということです。

現時点では、各欧州のクラブはIFRS(国際財務報告基準)に従い、移籍の際に支出した費用のみを選手の無形資産として計上し、契約年数に応じて定額償却するという会計方針を取っています。参考までに、プレミアリーグではトッテナム・ホットスパーの年次報告書、ブンデスリーガではドルトムントの年次報告書を読んでみましたが、どちらも獲得した選手にかかる費用の会計方針は同じです。またスパーズは、選手がキャリアに関わるような大きな怪我をして価値が損なわれる場合、減損会計を行うとも書かれています。

ちなみにJリーグでは移籍の際に払った費用は無形資産ではなく、長期前払費用と考えているとのことです。計算の仕方は同じですが、選手という人的資源をどう捉えるかという概念が違ってきます。

二番目にハイライトした土地建物・付属設備は、主にスタジアムです。償却額としてここから年7Mずつ減っているので、現在の88Mは12年後には資産価値ゼロになるはずです。それにより減価償却費という経費が発生しなくなるため、それだけ利益が増えます。

三番目のハイライト部分は建設仮勘定です。今期4.9M増えています。これはトップのトレーニング場の整備と、ユースなどのフィールドを同じ場所に建設する、Berger Feldプロジェクトに着手したためです。工事が完了し、使用し始める時点で初めて『仮勘定』ではなく、『土地建物・付属設備』として減価償却が始まります。ただスタジアム総額が推定で191Mであったことに比べると、4.9M程度ならクラブの財政を圧迫するほど大きな支出とは言えないでしょう。

次に負債を見てみます。



冒頭でも紹介した借金の部分ですが、社債60Mは2017年に償還(返済)される予定なので、順調にいけば2年後にゼロになります。しかし、返済のための巨額な資金を一度に準備することはおそらくできないため、社債を再び発行して、サポーターからお金を集めるのではないかと予想しています。
年次報告書でも、現在のe.V.(eingetragener Verein:社団法人)というクラブ組織形態を強調していますので、e.V.からトップチームだけ会社組織にして、株式を発行する可能性はまずないでしょう。(実のところ、そうすれば資金調達もものすごく楽になり、借金の返済も一気にできるのですが…)

金融機関借入金は年々順当に減っています。財務責任者のピータースによると、2019年の完済を目指しているそうです。昨季の返済額が13.5Mなので、4年で年11Mずつ返すというのは現実的な目標だと思います。

こうしてみると、借入などの債務は巨額ですが、クラブの体力が好転する見通しがないわけではないことがわかります。個人的には、金融機関からの借金がなくなる5年後の2020年が、勝負に転じる年だと考えています。ゴレツカ、マイヤー、レロイが25歳前後となり、前線ではアブディヤイ、リーゼ、後ろはケーラー。そしてヘヴェデスがベテランの味を出しているかもしれません。考えるだけで楽しい未来予想図です。(もちろんみんなが残っていてくれればの話ですが)

年次報告書によると、2016/17シーズンの予算は、今期(2015/16)ブンデスリーガを5位で終了する想定で組んでいるようです。5位ならリーグからの放映権料の配分は来季も減らない計算になるからだと思います。

ブンデスリーガの放映権料配分はセントラル方式です。一部二部全てのクラブにポイントに応じて配分されます。国内リーグだけでなく、欧州の大会の放映権料も含まれます。
ポイントの計算は5年間の順位で換算されます。
1位のチームなら36がまず与えられます。36はブンデスリーガ一部二部の総クラブ数です。二部の最下位のチームなら1です。それに係数を掛けます。一番近い年から5、4、3、2、1です。
今期の配分根拠となったシャルケの総ポイントは485ですが、これは(31×5)+(34×4)+(33×3)+(34×2)+(27×1)という式で計算されています。



今年少なくとも5位で終われば、順位ポイントは32です。新たな5年計算からは2010/11シーズンの10位が入らないため、5位でも総ポイント数が486となり、昨シーズンの配分を上回ることができるのです。金額にして60Mです。



さらに5位で終わるということは、ヨーロッパリーグの出場権も得られます。ポカールは2回戦進出と控えめな前提条件で予算を立てているようです。
また年次報告書には、さらなる移籍による収入は、来季の経営プランに入れていないことが明記されています。しかし、ユース選手とは長期での契約を結び、万が一の売却時には利益を確保することもクラブの方針です。

来季より、マインツのハイデルがスポーツディレクターとして就任することが決まっています。マインツのクラブで働く前、ハイデルは学校のアビトゥアで銀行業務を経験した後、自動車のディーラーとしてビジネスを行ってきました。
この5年間で借金が減り、シャルケの財務状態がよくなってきたのは、確実にヘルトのおかげです。ハイデルにはさらに投資に見合う効率の良いマネージメントを、ぜひ実現して欲しいと思っています。

ブログを書くにあたり下記のサイト、および文献を参考にしました。

参考サイト:
Fussball-Geld.de
『トッテナム・ホットスパー 2013/14年次報告書』(12,13,22ページ)
『ドルトムント 2014/15年次報告書』(71ページ)

参考文献:いずれもPDF。
『人的資源の会計的認識 : 日英プロサッカークラブの実務を例として / 角田幸太郎』
『人的資源の価値評価と組織業績の関係 ―プロサッカークラブのケース― / 角田幸太郎』
『英国プロサッカークラブにおける 選手の資産計上の実務 / 角田幸太郎』

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02 23 2016

ドイツサッカー好きによる前半戦レビュー

Published by at 8:20 AM under 1.Bundesliga,Schalke 04 Episode



シーズン前に今季のプレビューを書いたサイトで、シャルケ前半戦の総括編を書きましたので、こちらにも転載いたします。
少しタイミングが遅くなりましたが、後半戦が始まる前に出したので、内容も現時点では多少のズレがあるかもしれません。
こういう機会をいただくと、シーズンを客観的に振り返ることができ、個人的にもすごく良いなと思います。毎回、お忙しい中、時間を割いてまとめていただいている暁さんに感謝です。

 
応援するクラブの前半戦の総括と後半戦の展望について

シャルケの前半を終えた時点で6位というのは、思った以上に良かったと評価している。チームを作る過程を考えると、もう少し下位で折り返すことを想定していたからだ。17試合で8勝6敗3分は昨シーズンの成績と全く一緒だが、内容とチームへの期待は昨年よりはるかに上向きで、ウインターブレイクを迎えた。

シーズンが始まり、3節のヴォルフスブルク戦で不甲斐ない敗戦をした後、ドラクスラーが移籍した。ブライテンライター監督は彼を失ったことによる質の低下は否めないとコメント。にもかかわらず、チームは次のマインツ戦からヨーロッパリーグも含め6連勝し、そのうちの5試合はクリーンシートという好調さを見せた。

ドラクスラーの移籍でチャンスをものにしたのがマックス・マイヤーだ。ポジションをそのまま引きつぎ、4節以降13試合全てに最初から出場している。また怪我に泣かされ続けてきたゴレツカも、4節以降ほぼ全試合でプレー。積極的な姿勢にはチームをリードする選手と監督の評価も高い。
昨シーズン後半はゴールのなかったチュポ=モティングも、ようやく得点のリズムを取り戻しつつある。特筆すべきはリロイ・ザネの急成長だろう。5節からの3試合連続ゴールでチームを勝利に導き、スターティングメンバーに定着した。若手選手がそれぞれに巡ってきたチャンスを生かし、6位という結果を後押しした。

シャルケの前半戦を4つの流れでまとめてみる。

1)プレシーズンからドイツカップ一回戦、リーグ1節から3節

開幕が近づくにつれ、チームにはプレッシングを含めた組織的な動きが機能し始めたように見えた。シーズン前にシャルケ公式サイトでヘーガーは、『もう何年もこの形ではプレーしたことがない』と、プレスやカウンタープレスに不慣れな状態を明らかにしている。そこから短期間で形にしていくのは、例えばクロップ時代からプレッシングの下地のあるドルトムントが、トゥヘルのような監督を迎えるのとは全く違う難しさがある。

ドイツカップ一回戦でのデュイスブルク戦、またブレーメンとの開幕戦では、後ろに引かない高い位置でのサッカーが機能し、新しいシャルケを期待させた。ところが3節のヴォルフスブルク戦は、これまでが嘘のような内容となった。消極的なプレーは、中心選手の移籍騒動がチームに影響を与えていた可能性もあるかもしれない。

2)代表ウィーク明け4節から9節

4節以降、チームは再び活性化した。基本はガイスとゴレツカを並べた4-4-2、あるいはガイスをアンカーに据えた4-1-3-2を併用。ディフェンスラインはセンターにノイシュテッターとマティプ、左はアオゴがポジションを確保し、右サイドバックはリーターとカイサラがほぼ交互にプレーした。2トップはフンテラールとディ・サントが多いが、チュポと2人のどちらかの組み合わせも試している。しかしこの期間、フォワードの得点は極めて少ない。
これまでになく平穏で、チームとしてうまく行っていた日々も、8節のケルン戦で3-0と完敗。その後の次期マネージャー問題で再びクラブ内外が騒がしくなっていく。

3)ドイツカップ、リーグのグラートバッハ二連戦から14節

グラートバッハ戦のファールでガイスが5試合出場停止。チーム構想を彼中心に考えていた監督としては頭の痛い問題だっただろう。ドルトムント、バイエルン、レヴァークーゼンとはガイスを欠いた状態で対戦した。
ドルトムント戦はフンテラールとザネのツートップでのぞんだ。結果は3-2で負けたが、シーズン当初から目指してきた攻守の素早い切り替えが、チームに浸透しつつあるのは十分に感じることができた。

4)15節ハノーファー戦、ELグループ突破から17節

勝ちきれないプレッシャーに苦しんだチームは、ヨーロッパリーグのグループステージ突破から再び浮上し始める。例年のように怪我人でメンバーを欠く中、幅広く選手にチャンスを与えながら、グループ首位で突破したことは評価されるべきだろう。17節ホッフェンハイム戦で勝利し、良い状態のまま前半戦を折り返した。

ウィンターブレイク中の課題として、ブライテンライター監督はインタビューで、クロスの質向上と、再びプレスをしっかりかけることをあげている。
チームとしての戦術的な縛りが徐々に緩んでくるのは、シャルケの長年の課題でもあるが、監督は「うまくいったという成功体験が少ない」ところに原因があると考えているようだ。
シーズン前から目標としている切り替えの早さは、数字上は傾向として現れている。昨シーズンは34試合中、カウンターからの得点は2得点だったが、今期は17試合ですでに7得点。



チームとして熟成するにはまだ時間がかかると思うが、後半も成長の過程を見守ることを楽しみにしている。

 
応援するクラブで後半戦に注目してほしい選手

冬の移籍市場では、珍しく名前のあがった選手を希望通り獲得する事ができた。特にニュルンベルクのアレッサンドロ・シェプフは予想外だった。ドイツ二部で前半を3位で折り返したニュルンベルクが、この時期に彼を手放すとは思ってなかったからだ。
バイエルンユース時代も早くから才能ある選手として注目を浴びていた。そのU-19時代にシェプフは、マイヤーのいたシャルケU-19とリーグマイスター決勝で対戦している。またホイビュルクともチームメイトだったことがあり、シャルケに馴染むのにそれほど時間はかからないだろう。
ニュルンベルクでは今期は右サイドハーフでプレーしている。ウニオン・ベルリン戦で見せた、スピードに乗ったドリブルからの思い切りの良いシュートが印象的だった。チーム全体にダイナミックな動きを与える選手として注目してほしい。

もう一人の注目は、怪我からようやく全体練習に復帰した内田篤人。彼がいつ試合に出場できるようになるかはまだわからないが、復帰すればサイドからの攻撃がさらに充実する事は間違いないだろう。

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