09 03 2016

2015/16 シャルケ・シーズンレビュー

Published by at 1:57 PM under 1.Bundesliga,15/16,Schalke 04 Games

いつもの通り、別サイトで昨シーズンのシャルケのレビューを書きましたので、こちらにも転載いたします。
毎回お忙しい中、時間を割いてまとめてくださる暁さんには本当に感謝です。



内外の逆風に苦しめられたブライテンライター


ブライテンライターとシャルケは不思議な縁がある。2000-2001シーズン最終節、先に試合を終え、優勝をほぼ手中にしたシャルケは、4分後にバイエルンの逆転優勝でどん底へ落とされた。その試合、ブライテンライターは対戦相手のウンターハヒンクでゴールを決めている。敗戦し、降格したにもかかわらず、シャルケサポーターの悲劇の前には、それすらも小さなことのように感じたと語っている。

一昨シーズンのシャルケ・ホーム最終戦。当時の監督だったディ・マッテオは、試合後、観客から凄まじいブーイングを突きつけられた。奇しくもその試合で、対戦チームの監督をしていたブライテンライターには、大きな拍手が送られた。その時、自分はここで監督をするべきだと、ブライテンライターが確信したのも理解できないことではない。
シーズン終了後に解任されたディ・マッテオの後任として、ブライテンライターは候補の3番手ながら、監督の座を手にした。就任にあたりマネージャーのヘルトは、順位のノルマは課さないと明言した。しかし、テーニース会長はこの選択を100%支持していなかったと、一部の報道関係者がリークしている。

シーズン開幕から前半折り返しまでは、予想以上に素晴らしい結果となった。第7節終了時点で、勝ち点16、首位から5ポイント差の3位というのは、この20年(勝ち点3方式になった1995-96シーズン以降)で最高のスタートだった。

にもかかわらず、ブライテンライターを取り巻く環境は厳しかった。シャルケに彼を連れてきたヘルトは、シーズン限りでクラブを去ることが決まり、後任としてマインツのハイデルの名前が取りざたされた。

後半戦が始まった1月には、独「スカイ」が、匿名のクラブ関係者の取材を元に、監督の資質について疑問を投げかける番組を放送している。放送は戦術や練習内容への疑問に加え、監督への人格批判も含んでいた。フェアマンを筆頭に、選手は監督を支持し、報道そのものはすぐに霧消したが、この時の内容が最後まで足を引っ張ったことは否めない。

独「ビルト」とスカイはその後もネガティブキャンペーンを繰り返し、第30節バイエルン戦の試合直前には、スカイのレポーターが、その時点では憶測に過ぎなかった後任監督決定について、ブライテンライターにカメラの前でコメントを迫っている。

数字だけを見ると前半は8勝6敗3分。後半は7勝6敗4分。前後半どちらも負けた相手はバイエルンのみである。ヨーロッパリーグも無敗で決勝トーナメントに進出した。ベストとは言わないまでも、悪い結果ではない。にもかかわらず、クラブとメディアからはここ数年で最も酷い扱いを受けた。

守備では、多くの解決できない問題が山積していたのは事実だ。ナスタシッチの怪我による早期離脱、ヘーベデス不在の間は、マティプとノイシュテッターがセンターバックに起用された。ガイスが二人の間に下りてくる形で、当初はビルドアップの起点になることも期待されたが、外へのロングボールが多く、想定したほどには機能しなかった。

マティプの安定感はともかく、コンビを組むノイシュテッターは、シーズンが深まるにつれ、裏と表の両方に一人で対応しなければならない局面を、何度も利用されるようになった。連動して守りたいサイドバックのカイサラは、守備に問題があるだけでなく、不用意なパスで決定的な場面を作られていた。
中盤や前からのプレスは、試合の前半には見られたが、途中から消滅することが多かった。シーズンを通して、ナスタシッチ、ヘーベデス、内田の三人が起用できなかったことが、チームに与えた影響は大きい。

トップレベルのクラブで監督を務めるには、ブライテンライターに経験不足の部分があったことは、確かに否めない。パーダーボルンでは、1試合を通じて、選手がゲームプランを忠実に遂行したが、シャルケではうまくいく時とそうでない時の差が大きかった。
象徴的なのは第31節、レーバークーゼンとの試合だ。前半はビルドアップとプレスが機能したが、後半に入ると、レーバークーゼンの修正に対応できず、失点を重ねた。シャルケは1試合の中で、また、シーズンを通じて波のある試合を繰り返したが、これが指導力の欠如なのか、メンタルも含めた選手の資質と傾向なのか、このチームを長年見ていても判断のつきかねるところがある。

攻撃においては、縦に素早くボールを動かした時は見事なゴールにつながったが、相手に守備を固められると、崩しのパターンは正確さを欠いた。それでも、環境のサポートがあれば、最終順位がチャンピオンズリーグに届いてもおかしくはなかった。マックス・マイヤーやゴレツカ、サネのような若手の能力を引き出した功績も大きい。ドルトムント戦やバイエルン戦のように、フォーメーションを替えて、選手に役割を徹底させ、チーム戦術の土台も導入した。後を継ぐワインツィアルにとっては有益な下地となるだろう。

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