BL2015/16 第1節:ブレーメン対シャルケ

いよいよ、待ちに待った新シーズンが始まりました。今期はブライテンライターさんがシャルケの監督になったことで、見る側も力が入ります。

サッカーの試合で個人的に一番好きなのは、相手がどのような布陣でくるのか、それに対しこちらは誰を当てるのか、思うような展開にならない時、打開するためにどうフォーメーションを替えていくのか、交替策はどうなのか、試合展開はどうなるのかなど、試合の内容についてあれこれと考える時間です。残念ながらディ・マッテオ時代は、そのような楽しみをほとんど見出すことができませんでした。

 
1. Bundesliga, 2015/16, 1. Spieltag
Werder Bremen – FC Schalke 04 0:3 (0:1)

Torschützen
0:1 Gebre Selassie (34., Eigentor, Linksschuss, Matip)
0:2 Choupo-Moting (68., Rechtsschuss, Matip)
0:3 Huntelaar (85., Rechtsschuss, L. Sané)

Werder Bremen
Wiedwald (2) – Gebre Selassie (4,5), Lukimya (2,5), Vestergaard (3), U. Garcia (4,5) – Bargfrede (3) – Fritz (3,5)(70. Grillitsch), Junuzovic (4) – Bartels (4)(84. Galvez) – Öztunali (5)(57. Johannsson (3)), Ujah (3,5)

FC Schalke 04
Fährmann (3) – Riether (3,5), Matip (2), Nastasic(17. Neustädter (3)), Aogo (3) – Goretzka (3)(82. L. Sané), Geis (3) – Choupo-Moting (1,5), Draxler (2) – di Santo (4,5)(61. Höger)), Huntelaar (3)

ブレーメン戦、シャルケは右SBはリーターが先発でした。ポカールではカイサラ。戦術的な理由以外に、監督はローテーションをしながら同ポジションの競争を促す傾向もあり、右SBをどのように起用するかは今後も注目だと思います。

中盤はガイスとゴレツカ。このポジションのファーストチョイスはこの二人で決まりではないでしょうか。

いつも参考にさせてもらっているKarstenさんの分析では、ポカールの試合はフォーメーションは4-2-2-2だったと書いていました。ブレーメン戦もフンテラールとディ・サントのツートップの下は右にチュポ・モティング、左にドラクスラー。Karstenさんによると、このシステムではチュポはかなり高い位置までポジションを取り、ドラクスラーは中央のスペースへ斜めに入ることで、攻撃の組み立てなど自由度が増すという分析でした。(“Neue Saison, neuer Trainer, neue Systeme. MSV Duisburg – FC Schalke 04, 0:5”

これまでのテストマッチ(ポルト、トゥエンテ)あるいはポカール(デュイスルブルク)では、どうしても客観視しづらかったシャルケの今期の実力が、ブレーメンという強敵との対戦によりわかる時が来ました。ブレーメンはシーズン前にゼルケがRBライプツィヒに、さらにディ・サントがシャルケに移籍しました。新規加入としてケルンからはウジャ、またオランダのAZからヨハンソンを獲得しています。個人的にはレンタル先のウニオン・ベルリンからコビランスキが戻ってきたのも気になります。彼には活躍してほしいな。

試合は残念なことに、開始17分にナスタシッチがアキレス腱を痛めてノイシュテッターに交代します。ナスタシッチはその後の診断でアキレス腱断裂で長期離脱が確定しました。キャンプ・テストマッチでの怪我人の離脱がなかっただけに、シーズンが始まってからの怪我はチームにとっても本当に痛い。ナスタシッチの早期回復を祈ります…。
交代で入ったのはノイシュテッター。このブレーメン戦に向けてのプレスカンファレンスでは、ノイシュテッターについての質問を受けた監督が特別に賞賛したほどに、真面目で評価の高い選手です。「彼は今期は私たちのためにたくさんの試合に出るだろう」と言ったことが早くも実現しました。元々は中盤の選手ですが、ライバルも多いポジションなだけに、CBでのプレーで評価をあげれば出場機会も増えそうで、個人的にも嬉しい。

もう一人、今期注目しているレオン・ゴレツカも積極的にシュートを打っていきます。ヘディングでのシュートは相手GKヴィートヴァルトに防がれ残念でした。レオンはボーフム時代には、思い切りの良いゴールをよく決めていた印象があるので、今期はその辺りにも期待したいです。

昨季と比較してシャルケが変わったのは明らかで、全体にボールを下げることなく前でプレーするようになっていました。特に素晴らしかったのはマティプ。元々ボールの配給にはセンスがあると思いましたが、チームが積極的に前でプレーする事で彼の良さも引き出されていました。この試合、先制となったセラシエのオウンゴールもマティプからのパスがきっかけでした。

前半を1-0で折り返したシャルケですが、監督は満足ではなかったようで、ハーフタイムにはロッカールームで「戦って倒れてこい。誰も全てを出さなかったと責められられないようすべきだ」と選手にハッバをかけました。
シャルケの問題は、少しリードすると緊張がほどける、全体に緩くなるということだと思うので、いかに監督が今シーズンを締めて行くかというのは重要な課題でもあります。

61分にはディ・サントに替えてヘーガーを投入。ディ・サントはいきなりの古巣との開幕戦でやりにくかったと思います。替わって入ったヘーガーはガイスと中盤でコンビを組み、ゴレツカは一つ前に入りました。ワントップはフンテラールです。
これが功を奏したのか、68分にはチュポが決めて2-0とします。アシストはやはりマティプ。素晴らしい。

さらに82分にザネがゴレツカと交代でピッチに登場。
『欧州フットボール批評 issue03』のシャルケプレビューでは、レロイ・ザネがトップチームでプレーできるめどが立った事がチーム最大の補強、と書かれていました。そのレロイは自陣近くからボールを奪って、一人駆け上がり、最後にフンテラールへパス。これをフンテラールが決めて3-0と試合を決めました。ほとんどレロイの得点といってもいいですよね。
シャルケがこんなカウンターを決めたのって最近ではほとんど記憶にないくらい…。
かつて、やはりブレーメン戦でリンコンが一人で決めた見事なカウンターを連想したほどです。

アウェイでの難しい開幕戦でしたが、終わってみれば3-0の快勝。
試合後にはピッチで円陣を組む選手&スタッフの姿も。これはパダボーン時代もおなじみの光景です。ブライテンライターさんのチームは、勝っても負けても試合後にはかならず円陣を組みます。今期は選手たちが幸せな表情で円陣を組むシーンをたくさん見たいですね。