ヨコハマ・フットボール映画祭に行ってきました

土曜日は横浜・伊勢佐木町のジャック&ベティで開催されていた『ヨコハマ・フットボール映画祭』を見に行ってきました。記念すべき第一回目のフットボール映画祭です。
4作品全部は体力的に無理なので、見たのは『ロミオ&ジュリエット』『クラシコ』の2本です。映画の後にはヨコハマ・フットボール映画祭の各賞発表やクロージング・パーティがあり、楽しい一日をすごしました。

『ロミオ&ジュリエット』はインドネシア映画で、ジャカルタにあるプルシジャと、バンドンにあるプルシブという二つの対立するチームのサポーター同士が恋に落ちるというお話で、かなりの悲恋モノです。
私もたまにアジアのサッカーについて書くことがありますが、そもそも私がアジアサッカーに興味を持つきっかけとなったおが議長が、下記でこの映画の紹介文を書いています。

映画の後には監督のユセフさんが登場し、インドネシア・サッカー事情などについてミニトークがありました。
エキストラはみんな本物のサポで、インドネシア市内の撮影ではプルシジャ、バンドン市内の撮影ではプルシブのサポがそれぞれ映画のお手伝いをしたそうです。
この映画で、対立するプルシジャのサポ(ジャクマニア)がプルシブ(ヴァイキング)のファンバスを襲う場面があるのですが、エキストラで映画を手伝ったプルシジャのサポたちは、監督が5回くらい指示しても襲いかかる演技をやめなかったらしい。
監督がエキストラのサポに聞くと、『いやー、青(プルシブ)の色を見るとつい頭に血が上って』と答えたそうです(笑)。

映画の中でもうひとつアレマFCというチームが出てきます。アレマは今年のACLでセレッソと同じグループに入っていますね。
映画内のアレマの応援がものすごくかっこよくて、土曜日からずっと彼らの声が頭からはなれません・・・。
サッカー好きならかなりの確率でアレマのサポ(アレマニア)に惚れると思います。
下の写真は映画の中の1シーンですが、どうもこれは2008年頃に実際にあった試合映像を使っているのかなという気がします。あるいはその時のアレマの応援を映画に取り入れたのかも。とても印象的なシーンです。



アレマはインドネシアの中でも、サポ文化で歴史が深いので他チームからもリスペクトされている(おが議長談)そうです。
ただ、ユセフ監督が、セレッソサポの知人がいる人は彼らに伝えて欲しいということで、こんなことを言っていました。『アレマのサポはとても友好的で素晴らしい人たちだけど、対立するスラバヤのクラブを彼らの前でほめるようなことはしないようにね』
また、『試合のある日のマラン(アレマの本拠地)は欧州のどこにも負けないくらい素晴らしい雰囲気になります。ぜひACLで訪れてください』とのことです。
(ただ、アレマはインドネシアの国内リーグ事情で現在、ACLに出場が危ぶまれているらしいのですが)

『クラシコ』は北信越リーグの2009年シーズンを基にした映画です。
松本山雅FC、AC長野パルセイロという歴史的にも対立構造(というか、どちらかという松本市民が長野市民をライバル視している)にある2チームに、ジャパン・サッカーカレッジ、ツェーゲン金沢を加えた上位4強がしのぎを削る北信越リーグは、J1、J2、JFLの下の地域リーグのカテゴリーです。

長野にだけは負けたくない、松本にだけは負けたくないというサポの気持ち、地域リーグとは地域にとってどんな意味があるのかという行政側の考え、かつてJ1でプレーし今は地域リーグでプレーしている選手の本音など、さまざまな立場の人の発言をベースに、地域リーグの悲喜こもごもが描かれていきます。

Jリーグに比べるとなかなか取り上げられることがない地域リーグ事情を知るいい機会でもありますし、映画自体も素晴らしい出来だと思います。
ちなみに一緒に見た友達は、全国地域リーグ決勝大会と全国社会人サッカー選手権大会の関係がようやくわかったと言っていました。

松本山雅は2010年より、長野は2011年よりそれぞれJFLに戦いの場を移しました。2011年シーズンは再びJFLを舞台に2チームの対決『クラシコ』が繰り広げられます。

映画祭の後には近くでクロージング・パーティがあり、2000円で誰でもウェルカムということなので、友人と参加してみました。
宇都宮徹壱さんや柳下毅一郎さん、Jリーグ事務局の方、さらには映画監督のみなさん、一般のサカオタたちが集まって、とても感じのいいパーティになりました。

インドネシアのユセフ監督ともお話ができましたー。
監督はちばぎんカップの話を聞いて、『なに、そんなダービーがあるならぜひ見に行きたい』と行き方をメモしていましたが、どうやらその日は酔いつぶれて行けなかったっぽいです。
うーん、残念。日本の黄色ダービーをぜひ見ていただきたかったわ・・・。

 

ヨコハマ・フットボール映画祭に行ってきました」への3件のフィードバック

  1. 自分も当日行ってきました。
    2作目の「ルド&クルシ」から見てましたが、どれも面白かったです。
    「ロミオとジュリエット」ですが、プルシブとプルシジャ、そしてアレマの関係が「シャルケとドルトムント、そしてニュルンベルク」と置き換えられる感じで、日本の海外サッカー観というのも結構偏見が入ってるんだなと勉強になりました。
    最も、プルシブとプルシジャに代表される敵対関係クラブサポ間の抗争は正当な意味で自分の想像を越えるものでしたが(汗)。

    それにしても、「アレマニア」・・・アーヘンの人たちはアレマの人間と仲良くなれそうですね(´ω`)

  2. アレマの応援はYou Tubeでいくつか見てみましたが、確かにすごいですね。ヨーロッパなどとはまた違ったパワーを感じ、生で体験してみたいと思ってしまいました。
    アジアでのサッカー人気は国によって異なるでしょうが、私の経験ではイランやインドネシアでは一般市民がかなりサッカーに関心を持っていると思いました。かなり前ですがイランを旅行しているときは現地の人から「ナカヤマ!」と声をかけられたし、インドネシアでは偶然であったおじさんに「浦和レッズの試合を見た。小野伸二はすごい選手だ。」と自慢されました。ACLに出ていい試合をすればその国のサッカーファンの記憶に残るのでしょう。私の応援するクラブはまだACLなど考える余裕などないですが、将来、アジアに出ることがあれば仕事休んで応援に行きたいです。そして、磐田や浦和のように対戦相手国のファンの記憶に残るようになってくれたら嬉しいなと妄想しております。

  3. >El Marinoさん、
    あー、いらっしゃったんですね。
    面白かったですよね。インドネシアがなかなか過激で、サッカーに熱くなるなり方が半端なくて、すごいなあと思いました。

    ちなみに監督をマリサポさんが案内していたので、こんなことになっていましたよ(笑)
    http://twitpic.com/42g3d2

    アレマニアとアレマのサポは残念ながらRとLの関係でしたー。
     
    >reisさん、
    東南アジアのサポは熱いですよね。純粋というか。

    >一般市民がかなりサッカーに関心を持っていると思いました。
    サッカーの浸透の仕方が全然違うんですね。うらやましい。

    ほんとに現地で体感してみたいです。それが大宮のACL遠征だったら、reisさんにとっても最高の出来事になるでしょうねー。
    願い続けていればきっとその日がいつか来ますよ!
     

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