『ピーターズ:良い選手への投資はためらわない』

えーと、あまり面白い内容ではないのですが、表に出てきにくい経営面の話なので、ちょっと取り上げてみました。
ピーターズはシャルケのボードメンバーの一人です。(シュヌセンべルク会長のもとで、会社で言うところのCOOに当たる役職だと思います)

現在、クラブは来年度の予算を策定しています。
欧州の大会から敗退したことなどから、2009年度の収益がどっと落ち込むことはすでにわかっているので、経営陣にとってはきびしい状況だろうなあというのが容易に想像がつきます。
個人的にも予算作成の仕事をしていたので、こういう出ていくものを締めなければいけない状況は身につまされてしまいます。
とはいえ、投資をしなければリターンも望めないサッカー界・・・。
人事関係のところは少しバッファをはさんで訳そうかと思ったのですが、ま、ドイツ人らしい物言いなのかも・・・ということで、そのままにしておきます。

英語の記事もあります。相変わらずぎくしゃくした英語ですが。

Q : ピーターズさん、このたびの経済危機に対してシャルケはどのような準備をしていますか?

A : 2009年度と09/10ブンデスリーガシーズンのプランを、例年と同様、始めています。計画は慣習としては1月に理事会に提出されます。人件費に関しても双方に友好的な解決法を考えています。

Q : それはどのような?

A : 私たちは世界的な経済状況が、ますます困難なものになってきていることを念頭に置かなければいけません。ここ数週間で人件費を大幅に削減することができました。まずレーヴェンクランスとゼ・ロべルトの契約解除。特に触れておくべき重要なことは、どちらのケースでも解雇による手当を払っていないことです。ゼ・ロべルトのケースはむしろ長期保障の罰金で得をしました。
次に強調したいのは、私たちの契約は成果に基づいたものであるということです。しかし、もちろん私たちは、今シーズン前半のポイントと欧州の舞台からの敗退が、お金を節約したという意味であるとは思っていません。

Q : 経済危機下でスポンサー収入を伸ばすために何を計画していますか?

A : クラブの収益構造は高いままです。主要なスポンサーとは長期で取引をしています。アディダスは2018年、フェルティンスは2015年、ガスプロムとヴィクトリアは2012年です。ガスプロムとは世界的な経済危機が続く中で、今までの契約をさらに延長したばかりです。
クラブはこのように、初期の段階でめざましい位置にあると思います。サービス面においては、フェルティンスアレーナの魅力から、さらに高い稼働率が期待できることを意味しますが、観客面では、現在、11,000人のファンがシーズンチケットの順番待ちをしています。そのような要求を満足させることは到底できません。

Q : 経済危機の影響は移籍にはどのような影響をおよぼしましたか?

A : 私たちはいつも適切なコスト・マネージメントの方法をとっています。そのためには、波風をたてない方法で運営していくことが重要です。しかし、私たちのサッカーやビジネスを向上させると思う良い選手に対し、投資することをためらってはいません。

Q : 『スポーツ諮問委員会』はどのような役割を果たしていくでしょう?

A : 目新しいことはありません。過去にも、私たちはサッカーの専門家と重要な移籍について話し合いを行いました。
私たちが保っていくプロシージャーと変更しなければならないプロシージャーを一緒に考えていきます。
一夜にしてすべて変えようというわけではありません。実際にはその反対です。
フットボールマーケットでなにか物事が簡単にいかない場合において、承認のプロセスの一部としてプロシージャーを向上させたいと思っています。
私たちの信頼が欠けているからではなく、熱意をもって自分の仕事にあたることができるように、ありとあらゆることを問題として取り上げる必要があります。そのような方法論は、必要な力を持っている人間にだけ可能です。わたしたち、理事および諮問委員会はそのような能力をもっています。

上記の記事が21日、その後、24日くらいにRevierSportに下記の記事が。

今後、ピーターズが広報の責任も担っていくという内容のものなのですが、それから2日後に、現在の広報責任者Gerd Voßがご家族の病気で休職するという発表がでました。

ピーターズが広報もやるからVoßが職を離れるのか、Voßが職を離れることがわかっていたからピーターズが担当するのか、いろいろ考えてしまいそうな流れです。

ウィンターブレイクの間にトレーナー二人が首になり、さらに広報責任者がクラブを離れる。(追記:トレーナーが首になった話はBildのガセだそうです。くそー、釣られた)
なんか心配だなあ。杞憂だといいんだけど。(みたいなことがフォーラムでも話されている)
ちなみに上記トレーナーの一人は管理栄養士で、確かミムンがシャルケ戦のあとにユニフォームをプレゼントした人だと思います。

選手から慕われている人たちを切ることで、ガス抜きができなくなり、チーム内の雰囲気もさらに悪くなっているのかも・・・。
なんとなく、個人的にはチャーリーが亡くなったあとから、急にチームの雰囲気がおかしくなってきたので、やっぱり彼を失ったことが選手たちにとって本当に大きかったんだろうなあという気がしてなりません。

何にせよ、今日のポカールには勝って悪い流れを断ち切ってほしい。今のところ、勝つことしか、クラブの状態をよくしていくことは残されてないですから。

 

『ピーターズ:良い選手への投資はためらわない』」への2件のフィードバック

  1. うーむ。
    そりゃー経営の面から見直しは必要ですけど、
    それに乗じてスタッフを入れ替えて行くことが、
    前向きな対応であるならいいんですが。
    最前線の選手達が集中した仕事をできるような環境を作らなければ
    たとえスリム化したとしても、
    長期的に見て収入の道を閉ざしていくような気がします。
    今大きなスポンサーがついてるからいいというものではないですよね。

    どの記事だったか忘れましたが(笑)ミムンがユニをあげたって書いてありましたね。
    「約束してたんだ」って言ってました。
    出て行った選手とそんな関係を持てるようなスタッフを辞めさせてしまう状況は、
    チーム内がいい雰囲気とは想像できないんですが・・・。
    うーん、上手く軌道修正して後半に繋げてほしいです。

  2. >のもんさん、
    コスト削減にばかり走ると、会社の雰囲気も悪くなりがちなので、そのあたりは経営陣の腕の見せ所ですよねえ。
    (あー、でもCLとUEFA CUPに敗退したことは、経営に相当な打撃であることは想像がつくなあ・・・)

    サッカー選手は特に自分の力ひとつで食っていかなければいけないので、いいプレーや成績には正当な評価をしてあげるべきだというのがほんとに原則だと思います。
    クラブが目先の利益に走って、将来を閉ざすことのないように・・・(とはいっても、今の経済状況、どうなることか、誰もが心配なんでしょうねえ)

    >ミムンがユニをあげた
    そうそう、それ、のもんさんちで確か読んで、RevierSportに名前がでてました。
    ミムンはきっと細い子だったので、いっぱい食べろと管理栄養士にはよく怒られたり、かわいがられたりしていたんでしょう(笑)

    (※しょーちゃんのコメントで教えていただいたのですが、首というのはBildのガゼだったそうです。よかったー)

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