安藤さん、間違いだらけです

私は基本的に誰か他の方の書く内容に文句をつけることはまずありません。
個人の思うところを書くのは自由だし、ブンデスリーガが好きなら、みんな仲良くしましょうというのがスタンスなので。
ただ、今までずっとしょうがないなあとスルーしてきましたが、さすがに今回はちょっとひどいと思うので、とりあげることにします。

別にクラブのことを面白おかしく書くのは一向に構わないのです。ただ、事実と異なることを、ちょっと調べればすむことなのに、それすらせず文章にしてしまうのは、文筆を生業としている方にしては少しお粗末だと思うので、少し指摘してみることにしました。

オランダからDFフンテラールを550万ユーロ(約7億円)、FWファルファンを100万ユーロ(約13億円)

これ、もちろん名前も違ってますけど、ぱっとみて、550万ユーロが7億で、100万ユーロがそれより多い13億になるわけがない。一目で数字がおかしいなとわかりますよね?

もちろん、シャルケに来たのはフンテラールじゃないし、エンゲラールの間違いだったとしても、彼はDFではありません。二重に間違えているわけです。

ラフィーニャの後釜を探すべきなのにクラシカルな6番では、

これも意味不明なんですよね。誰と間違えたのか。
そもそもラフィーニャは右サイドバック、不動のレギュラーなので、今は後釜を探す必要はありません。
今季、シャルケでシーズン前に移籍したのはラーセンとバイラモビッチ、マティアス・アベルなので、その後釜ってことでもないでしょうし?

不動のレギュラーでチーム内での発言力が絶大なDFボルドンを

今季、ボルドンは不動のレギュラーではなかったです。怪我が多いので、前半すぐに交代だとか、ケルン戦のように後半ちょっとだけという起用もありました。
ちなみにケルン戦の次のヴォルフスブルク戦でボルドンが帯同しなかったのは、トレーニング中に膝を痛めたからです。(『Ohne Marcelo Bordon nach Wolfsburg』:シャルケ公式)

24節のボルフスブルク戦。調子の良かった代表MFのベスターマンに代えて、後半から19歳の新人MFを投入した。劣勢を若手の豊富な運動量で補おうという作戦だったのだろうが

名前くらい調べてほしい。
一応、ドイツU19の代表です、ダニー・ラッツァ。
ちなみにこの試合、ヴェスターマンは、チームで5人が罹患していた胃腸にくる風邪でプレーができなくなったので、前半での交代は采配と関係ありません。(『Magen-Darm-Virus setzt fünf Spieler matt』:シャルケ公式)

翌日、昼の練習が始まる前、ミュラーは選手にクラブから解雇されたことを知らせた。ミュラーの目からは涙がこぼれていたという。

ミュラーが首になったのはヴォルフスブルク戦の後ではなく、前の3月9日です。ヴォルフスブルク戦は3月13日。
『Knappen beurlauben Manager Andreas Müller mit sofortiger Wirkung』:シャルケ公式)

これで過去3試合すべて異なるフォーメーションを使ったことになる。いずれの試合でもお気に入りのファルファンだけは外さなかった。ここに彼のファルファンへの溺愛ぶりが表れている。

ファルファンもクラニィもサンチェスもどの試合でもスタメンでしたが。

クラブ首脳陣は次期監督選びでアドフォカート、ファン・ハール、ヒディンクらオランダの著名人をリストアップしたとされる。来季の収入減を計算したら、彼らには要求されるだけの高給を払えないというのに…。

このへんもすごく観念的ですねえ。まず今の時点ではこの3人はリストアップしていません。
会長も来期、お金がないというのは理解している発言をしているので、そのあたりは現実的な目線を忘れてはいないはずです。
安藤さんは昔のアサウアー時代のシャルケをよくごぞんじなので、その時代の、シャルケがお金に対してどんぶりだという先入観を捨てられないんだと思います。
(もっとはっきり言うと、ブンデスリーガ自体のここ2、3年のご自分の知識をアップデートしてないんでしょう)

別にこの記事をすべて否定しているわけではありません。
もしかしたらおっしゃる通り、ルッテンが特定の選手の贔屓をしたのかもしれないし、初めてのビッグクラブでわれを忘れたのかもしれない。すべて憶測ですが、間違っているとも断言できない。

シャルケというクラブは『感情のクラブ』なので、この先、何度も何度も同じ失敗をするかも知れません。でもだからこそ、好きな人はとことん好きなんだと思います。

だからこんなダメなチームが好きなんですか?と揶揄される記事を書かれても、私は全然気にしない。
ただ、せめて基本的な事実や、時系列は間違えずに書かないと、すべてが台無しですよと言いたいだけです。

安藤さん、間違いだらけです」への8件のフィードバック

  1. kameさん

    ありがとうございますう~!
    これで気が晴れました。
    本人が見てくれると、もっとうれしいんだけど。
    安藤さんって、今、日本に住んでるんだよね?
    これら一連の間違いは、ドイツのニュースをチェックしてればまずあり得ないものばかり。

    >ここ2、3年のご自分の知識をアップデートしてない

    その通りだと!シャルケ以外の記事でも多くの誤りがみられるけど、面白おかしく書くために事実を曲げても遠い日本のコラムにケチつける人は少ないだろうし。

    ルッテンがわがままな監督だったなんて、聞いたことも読んだことも無いです。
    ひいきの選手とは恐らくファルファンではなく、彼のいうDFフンテラール(エンゲラールね)のことかも。
    ただし、彼はここしばらくスタメン落ちしてるので、決め付けることはできませんよね。

    ジョーンズがラッツァとファルファンの交代を文章のように要求したとこも、ちょっと信じがたい。確かにこの日のラッツァはひどかったけど・・・(彼にパスするのをラフィーとファルファンはいやがってた)
    この試合は負けたけど、最後までひどいながらも戦ったので、チームが自壊したとはいえないはず。

    HSV戦の唯一の得点はファルファンによるもの。なのに、どうしてチームメイトにうとまれなくちゃならないの?代わりにハリルかアザを入れろってこと?

    コラムを書くのはいいけど、事実を基にしないと、最終的には自分をおとしめることになっちゃいますよ。

  2. いつもkamecaveさんの鋭い着眼点の記事を、興味深く拝読しております。

    よその国のリーグに比べると、ブンデスリーガは日本であまり人気がないようなので、安藤さんは、貴重なドイツサッカーのライターさんだと思っています。

    しかし、kamecaveさんが既にご指摘のように、ここ2,3年の彼の記事については、私も疑問に感じる時がありました。今回の場合、数字(100万ユーロ)はおそらく誤植で、円を約127円で計算してみるとゼロ一個欠落してしまったのかな?と思いますが、誤植で片付けられない件もチラホラ見受けられますね。

    ドイツは地方分権で、各地の地元新聞では、地元のチームの記事が中心。なんでも大げさに書く大衆新聞Bildも各地で版が異なり、チームごとにBildの当番記者がいるんだとか。地区毎に貶されるチーム、褒められるチームも異なっているそうです。だから、日本のライターさんがドイツサッカーの記事を日本語の情報として公開する際、どこスタンスで記事を拾ってくるかで随分内容が変わってくると思います。Bildの記事はあてにならないことでも有名ですよね。

    だから、一部リーグ全18チームについての情報を記事にするサッカーライターの仕事は、大変だと思います。おそらく、記事数が多いライターさんほど、沢山のアシスタントさんが下についているのだと思います。

    以下はあくまでも私の想像ですが、安藤さんは後輩をそだてるのが下手なのかな?と思っています。彼の記事の正確性にムラがでてきはじめた2,3年ごろに、優秀なアシスタントさんが辞めてしまったとか、色々想像してしまいます。(つまり、ドイツ語のオリジナルの記事を地区ごとに幅広くチェックする人がいなくなった?)安藤さんに師事したと公表されている後輩ライターさんの存在を私は雑誌等で見たことがないです。

    一方で、他のドイツ関係に明るいライターの金子達仁さん経由では、木崎伸也さんを経て、現在新しい新人ライターさんがドイツで取材活動をされているそうです。

    以前の安藤さんの記事はとても興味深かったのに、今の彼の記事のクオリティは残念です。正確な記事を書いてもらいたいですね。Bildじゃないんだから。

  3. kamecaveさんのご意見に大賛同します。@DUS

  4. >しょーちゃん、
    いやー、書いているうちにむかむかしてきてもっと長くなったんですけど、適当にけずりました。

    >これら一連の間違いは、ドイツのニュースをチェックしてれば
    私もそう思います。
    日本に住んでいても、kickerだって購読できるし、Webでほとんどのニュースは読めるし。

    >面白おかしく書くために事実を曲げても
    そうなんですよね。
    その姿勢がニーズと合ってないのに気がついてないんですよね。
    こちららは三文記事を読みたいのではなく、もっと取材に基づいた深い分析記事を読みたいのに、そのあたりを履き違えているようで。

    ルッテンがわがままって、私も自分が見た限りの情報(ニュースとかフォーラムとか)では、聞いたことがなかったのですが、もしかすると『厳格であり、スタッフと選手にもそれを求める』というのが人によっては『わがまま』と読みちがえることもあるのかなあ。(なんて、安藤さんに対して好意的な解釈w)

    ひいきの選手はフンテラールだったんでしょう(爆笑)
    きっとルッテンの意識の中では、スタメンにフンテラールがいて、その幻覚の選手をひいきしていたと、この記事で言いたいのでは?

    >ジョーンズがラッツァとファルファンの交代
    ルッテンは、今シーズンを見ていると誰にでもわかると思うけど、選手起用・交代はものすごく慎重な人なので、理由もなしにラッツァをいきなり起用するというのは考えにくいと思うんですよね。
    だから、選手のコンディションなどの何かしらの理由があったのではないかと思うんですけど・・・。
    (ま、安藤さんに言わせれば、ビッグクラブの指揮で錯乱したんでしょうw)

    >チームが自壊
    kickerのレポートを読むと、最後まで高いモラルをもって戦ったと書いてあるのですが、見る人が見ると違うように見えるのでしょうか。

    >コラムを書くのはいいけど、事実を基にしないと
    彼だけでなく、最初から書きたいシナリオがあって、そのために曲げて書くというのはよくあることなのですが、そういうことはご本人のためにも残念ですよねえ・・。

  5. >miyaさん、
    コメントありがとうございます。

    ドイツサッカーに関するライターは少ないので、私も安藤さんの情報は貴重だと思っています(いました?)
    とくに昔、書かれていたコラムとか面白かったのに。
    ただ、ここ2、3年で質が落ちたと感じていたのは私だけはなかったのですね。

    >だから、日本のライターさんがドイツサッカーの記事を日本語の情報として公開する際、どこスタンスで記事を拾ってくるかで随分内容が変わってくると思います

    あー、まさにその通りですよね。
    どこをベースにしている新聞なのかって、つねに頭に入れておかないといけないですよね。
    クラニーの代表引退事件のような大きなニュースがあると、ぱあっとその新聞や記事を書いている人のスタンスがわかるので、あれは残念な事件でしたが、色分けするのにとても役に立ちました。

    >記事数が多いライターさんほど、沢山のアシスタントさん
    なるほどー。すごく興味深いですね!

    そういえば確かに、安藤さんに師事したというライターのお話は聞いたことがないですね。

    木崎さんはきちんと取材をされているので、そのあたりはしっかりしているなあと思います。今回、サッカー批評でもちゃんとした記事を書かれているし。
    彼がドイツを引き上げた後は、確かに他の方が引きつがれていますね。
    その点では金子塾育ちの人たちは、ちゃんと人を育てることをしているんだなあと想像がつきます。

    >以前の安藤さんの記事はとても興味深かったのに
    ほんとにそうですよね。
    それだけに、いったいどうしちゃったの?という気持ちが強いです・・・。

  6. >通りすがりさん、
    コメントありがとうございます。
    そういっていただけると、なんだかこれをぷんぷん怒りながら書いて、われながら子供みたい・・・と思ったけど、書いた甲斐があります!
    DUS>デュッセル?

  7. kameさん

    他にもやっぱり安藤さんの文章を疑問に思ってられる人たちがいるんですね!

    思い起こせば、kameさんが読むのを拒絶したケヴィンの代表引退事件の記事もひどいものでした。
    彼のここ数年の無理にギャグを飛ばした(まったくウケない)文章は、他のライターさんの文章と比較しても、ちょっと・・・ね・・。

    miyaさん

    >優秀なアシスタントさんが辞めてしまったとか
    >後輩ライターさんの存在

    この意見はとても興味深いです!!
    なるほど!こういう方向からもいろいろと考えられますね。

    >木崎さん
    彼の文章はとても面白いです。いろんな観点から書かれてるので。
    日本に帰られても精力的に書かれてるみたいですが、ドイツからでは部分的にしか購読できないのが残念。

  8. >しょーちゃん、
    やっぱりおかしな文章だと思う方はけっこういるんですねー。
    それにしても今回は特に上滑りだなーと驚いてしまいます。誰か言ってあげる人いないのかしら。
    その辺でも、アシスタントさん(が注意するのは難しいかもしれませんが)とか、お友達とか、きちんとアドバイスしてくれる人がいないんでしょうねえ・・・。

    >無理にギャグを飛ばした
    あれはなんとかならないんですかねえ。憐憫すら感じてしまいます。

    木崎さんは雑誌にけっこう書かれているのですが、雑誌だとなかなかドイツでは読めないですよねえ。
    それにWebのようなわりと短めのものより、きちんと構成された長い記事の方が、彼のよさがもっとわかるので、そのあたりが読めないのは残念なことです。
    私が要点だけでもアップできるといいんだけど・・・。

    経済紙でも定期的に書いていたので、見方が確かに面白いです。

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