サイクルロードレースにハマる

更新が滞っていてすみません。

2週間前に渋谷・アップリンクで上映中だった『Blood Sweat + Gears』という自転車ドキュメンタリー映画を見て以来、すっかりサイクルロードレースにハマり、欧州サッカーシーズンがオフなのをいいことに毎晩ツール・ド・フランス三昧で、全然ブログに手をつける時間がありません(汗)。
週末あたりにまとめてアップしますので許してー。

これまで周りに自転車好きな人がけっこういたわりには、私は全く影響を受けることもなく、自転車には興味がありませんでした。
なによりもスピードが苦手な方で、自動車を自ら運転するのもスピードが出たらコワイからイヤという私にとって、生身でかっ飛ばす自転車なんて、ぎゃー、ご勘弁を、というシロモノでした。

『Blood Sweat + Gears』は2007年にアメリカで生まれたスリップストリーム(現ガーミン・サーヴェロ)というプロサイクルチームを丹念に追ったドキュメンタリーです。
一時期、ドイツのZDFのサイトを開くと、ドーピングの記事がトップにない日はなかったくらい自転車界でのドーピングが話題になりましたが、スリップストリームは反ドーピングをチーム理念とし、チーム内に自ら厳格なドーピング防止策を導入しています。
チームのエースは、そのドーピングにより、絶頂期に2年間の出場停止を経験し、まさに地の底まで落とされた経験を持つイギリス人のディビッド・ミラー。

ドキュメンタリーとしての映画の質自体も本当に素晴らしいです。

スリップストリーム・チーム結成の記者会見に臨む前に、チームをスポンサードしている人が『君たちをメンバーとして紹介できることを誇りに思う』と声をかけるんですが、こういうときの芝居がかったアメリカ人の言葉ってほんとに絵になります。

ミラーの他にも個性豊かな登場人物が映画に奥行きを与えます。
アメリカ代表として五輪に選ばれることを夢見てタイムトライアルに出るけれども、父親が見に来るとどうしても実力を出すことができないマイク・フリードマン。
アームストロングの影でずっとその実力を自分でも信じられずにきていたヴァンデヴェルデ。
愛する夫と一緒にいたいがためにチームに同行してサポートしながらも、次第に精神的にも肉体的にも疲れていく自転車選手の妻。
小さな不運が次々と重なって、どうしても調子に乗ることができないマニュス・バクステッド。

この小さなプロサイクリングチームがツール・ド・フランス、そしてシャンゼリゼのゴールを目指して駆け抜ける93分。最高に素晴らしい映画です。
ま、なによりも、チームの監督であるジョナサン・ヴォーターズ(JV)があまりにかっこよすぎて、めちゃめちゃ惚れてしまいました。
何も恐れることなく、自分の意見を率直にそして極めて的確な言葉で表現するJV。
ほんとに有能なアメリカ人って久々に見たわー。かっこええ。

・・・と、映画の話ばかりになってしまいましたが、これがきっかけで自転車に急に興味がわき、おあつらえ向きにツール・ド・フランスが始まってしまったというのが現状で。

人生において新しい何かに感動することなんてもうないよね、と冷めきっていた私にも、まだエキサイトできる新たな何かがあったのかとちょっと驚いています。人生はまだまだ奥深いね(笑)