2018年8月の記録:オスナブリュック散策

この夏もハノーファーとシャルケのキャンプを見にオーストリアに行き、旅行の後半はドイツを旅して来ました。

旅といっても、そこにサッカーがあれば、できるだけスケジュールに組み込むのはいつも通り。オスナブリュックを行き先に入れたのは、この日、1860ミュンヘンがオスナブリュックと対戦することになっていたからです。

あまり調べもせずに初めて訪れたオスナブリュックは、歴史ある落ち着いた街並で、かなり気に入ってしまいました。試合の翌日に散策した街の写真を少しアップしてみます。

オーストリアからドイツまでは、ザルツブルク空港からベルリンのテーゲル空港へのルートを取りました。デュッセルドルフへ行くよりも、はるかに航空券が安かったのと、朝9時発という早すぎない時間がちょうどよかったからです。飛行時間は約1時間半。テーゲル空港からはバスでベルリン中央駅に出て、そこからInter Cityでオスナブリュック。途中、ハノーファーで乗り換えます。飛行機はユーロウィングを予約した時に、電車のチケットとセットで購入。その日のうちなら、どこまで電車で行っても一律33ユーロです。

ホテルは中央駅の近くに取りました。ただ、オスナブリュックの中央駅周辺はどことなく荒んだ感じで、雰囲気はそれほど良くありません。翌日歩いた街中の穏やかな美しさは、駅前から受ける印象からはだいぶかけ離れています。駅から中心地までは徒歩でも約15分程度。地図にあるようにインネンシュタットの環の内側に入ると、街の印象は一変します。

こちらはオスナブリュックで現存する一番古い建物であるロマンティック・ホテル・ヴァルハラ。1690年に建てられたものだそうです。クラシックな外観とは異なり、ホテルの公式サイトを見る限り、中は機能的でモダンなデザインのようです。ちょっと泊まってみたい。

近くにある『La Vie』は、ミシュラン3つ星の著名なレストランでしたが、旅行に行く直前の7月に閉業をしてしまいました。突然のことで、多くの人が驚きました。レストランの株主は鉄鋼製造・加工などの企業でしたが、不採算なビジネスは削るというリストラを敢行し、30人いた従業員は事前に閉業を知らされることなく解雇されたようです。オスナブリュックの名所として、近年は多くの客がこのレストランを目的に街を訪れていただけに、本当に残念な話です。

Rathaus(市庁舎)前のマルクト広場から歩いてすぐの場所に、オスナブリュックの大聖堂(Dom St.Peter)があります。

大聖堂の内部は飾り気のないシンプルな造りで、清楚な美しさにすっかり魅了されてしまいました。

マルクト広場からヘルガー門をくぐって環状道路を渡ると、フェリックス・ヌスバウム・ハウスがあります。ここには、オスナブリュック出身で、アウシュヴィッツで亡くなったユダヤ人画家・ヌスバウムの作品が飾られています。ダニエル・リベスキンドが設計した「出口のない美術館」は、室内からどの窓を通して見ても外壁しか見えません。外界への出口がないため、窓から見るたびにいっそうの閉塞感が募ります。アウシュヴィッツに収容されていた画家の視点をも補完するような、優れたデザインの建物だなあと感じました。

ドイツの小さな美術館は、学芸員がなぜか後ろからついてくるところが多いです。必要であれば作品の説明をしたいと考えているのか、監視をしているのか、理由はわかりません。ヌスバウム・ハウスもずっと後ろからついてくるので、少しだけ落ち着きませんでした。(もしかして監視される圧迫感を演出していたのかも?笑)

古い木組みの建物が並ぶオスナブリュックの街は、ただぶらぶらと散策するだけでも楽しいです。

冒頭の写真にある、駅前のモニュメントは、紀元前9世紀頃の『トイトブルクの森の戦い』を表しているのだそうです。ハノーファー方面からオスナブリュックに電車で来る途中に、この戦いの場所に建てられた記念塔が見えました。もし次回、オスナブリュックを訪問することがあったら、ぜひその場所にも行ってみたいものです。