フェールマンの復帰とノイアーの移籍

すっかりニュースに乗り遅れてしまいましたが、先週、シャルケ公式でラルフ・フェールマンのシャルケ復帰が発表されました。

ラルフは2009年にシャルケからフランクフルトへ出場機会を求めて移籍。
もともとはシャルケユースで、ノイアーとは同じチーム内のライバルでもあり、良き友達でもありました。
まさかたった2年で、シャルケ時代に自分の前に立ちふさがっていたNo1ゴールキーパーがいなくなるとは、考えてもみなかったでしょう。
フェールマンは契約年数を残していましたが、フランクフルトが降格してしまったので、フリーで移籍できる契約になっていたようです。

彼のことはすごく好きで、移籍した時はほんとにショックだったので、ラルフが戻ってきてくれて嬉しいです。
ノイアーの後にシャルケのキーパーをやるということは、ぜったいにノイアーと比較され、ケチをつけられるのは目に見えているので、ラルフにとって大変だとは思いますが、いつの日かノイアーを抜くような選手になって見返してほしいと思います。(写真は2008年のもの)



ただ、もうひとりのGK候補として、イェンス・レーマンと1年契約をするという噂が流れています。(ソースはレーマンやヘルトとわりと近い関係にありそうなシュツットガルト新聞なので、可能性がないとは思えない。)

マネージャーのヘルトは、レーマンの件についてはノーコメントらしいですが、フェールマンについては自動的にGKポジションを確保したと考えてほしくないと発言しています。
個人的にこの発言は正しいと思っているんですけど、どうでしょ?
やっぱりNo.1のポジションが空いたら、そこいる他のGKすべてがトレーニングや試合においてポジションを獲得するようアピールして、No.1のポジションは自分で勝ち取るべきだと思います。競争のないところに成長なし。

ま、レーマンがNo.1になるなんて考えるのはかなりおぞましい(汗)けど、例えばレーマンがサブのキーパーだったら、彼の持っている知識や経験はフェールマンにいい影響を与えるんじゃないかと思ったりもします。

ところでフェールマンの復帰と同じタイミングでノイアーの移籍も発表になりました。

普段、つつましやかな?発言しかしない私が一度だけブラックなことを言いますので、これから下はたたみます。



昨日も友達と、ドイツ代表やブンデスを何年かに渡って見続けていると残念だなと思うことがあるという話をしていました。(たぶんバイエルンサポは例外だと思うけどw)
ノイアーがバイエルンへ移籍するというのは、そういう私たちに言わせるとすごろくの『上がり』です。

例えば、私はシュバインシュタイガーがすごく好きでした。彼のような才能のある選手は、早いうちにイングランドなどで揉まれればさらにすごい選手になるだろうと期待していました。
なんどか移籍の噂も出ましたが、彼はバイエルンで満足してプレーしています。
確かに今の彼は十分にいい選手ですけど、個人的には小さくまとまってしまった感もあります。もっとスケールの大きな選手になれたかもしれないのに・・・?
おそらくトマス・ミュラーもそうなるでしょう。

ノイアーについても同じことが言えます。

バイエルンに行けば彼はこの先、10年近くはバイエルンでプレーすることになります。おそらくバイエルンを足がかりにステップアップするという発想はないと思います。彼にとってバイエルンは『上がり』なのです。さっさと安住の地に足を踏み入れて、他の人のゲームを高見の見物です。
これがかなり年齢も上の選手ならありなんですが、まだ20代半ばの若さで『上がり』なんて・・・ねえ?

バイエルンってドイツではすごい?チームなのかもしれないけど、他のリーグも見ている者にとっては、ドイツ・ブンデスリーガってそれほどのレベルか?ってよく思います。自分が一流の選手になりたいという野心があるなら、プレミアあたりに行かないと、もうひとつ上のレベルの選手になることはできないんじゃないかな。

シャルケの選手が例えばBVBに移籍すれば、それはものすごい裏切り者とそしられるかもしれないけど、私の中ではシャルケもBVBも立場的には同列意識はあります。

でもバイエルンは違う。

バイエルンに行くということは、ドイツサッカー界でprivilegeを手に入れるということです。日本語でいうと『恩恵』とか『特権』かな。
ノイアーはバイエルンにいる限り、代表のNo.1キーパーの座を追われることはないでしょう。代表がいかに恣意的に選ばれるかというのは、おそらくドイツだけの現象であり、日本やイングランドなどでは想像のつかない部分です。
そんなことってあるの?と思う人はこれから数年に渡って、ドイツ代表がどこのチームから選ばれているか観察することをお勧めします。

なぜ、ノイアーがバイエルンに移籍することにがっかりするのかというのはそういう理由です。
シャルケの意識として、労働者階級というか、決して権力の側にいるわけではない者、むしろ権力に逆らうことに喝采を求める者だったのが、自分の力でなにかを獲得することから逃れ、権力の側に回ってしまった・・・。

これががっかりしなくてなんだと言うの?

でも別にノイアーのことを責めているわけではありません。
もう関係のない人ですし、何を一番大切に思うかというのは人それぞれなので、それをどうこういうつもりは全くないです。
ただ、シャルカーが何に憤り、何にがっかりしたかということを私なりに説明してみたかっただけです。
ノイアーの話題はこれで終わり。

 

フェールマンの復帰とノイアーの移籍」への9件のフィードバック

  1. (選手の成長を促すという意味で)
    シュバインシュタイガーとラームには、さっさとユナイテッドなりレアルなりに移籍して
    ドイツ以外でタイトル獲ってほしいと思ってました。
    (レアルはドイツ系の選手が増えたから、現時点では反対だけど)

    幸い、バイエルンとドイツ代表は、違うサッカーやってるので、
    そういう意味では、成長が見込めるかもしれないけど・・・
    (そもそも代表よりクラブの方がサッカーの質が劣るっていうのは考えものだけど)

  2. かめ教授(黒)のドイツ代表論、面白いんでシリーズ化してほしいです。
    最近だとクラニーの冷遇っぷりがすごく印象に残ってます >ドイツ代表

  3. >もともとはシャルケユースで、ノイアーとは同じチーム内のライバルでもあり、良き友達でもありました。

    とても曖昧なのですが、ポカール優勝パレードの際ノイアーにビンタしたのは、ユース時代の同僚GKの友人だという記事があったように思います。この同僚というのがラルフ・フェールマンなのでしょうか?
    だとしてもビンタしたのは友人で今回の移籍とはまったく関係ないことだと思いますし、実力でNo.1のポジションを獲得するといいですね。
     
    バイエルンについて、ブンデスリーガ事情通読本に『ドイツ国内において一目置かれたクラブで、ドイツ人選手の憧れでドイツサッカーの誇りであり、優秀な選手を獲得しても文句を言う人はほとんどいない。』という感じで書かれていました。これを読んでいたのはちょうどノイアーの失言のあとで、こちらでもさまざまな意見を目にしていたので『う~ん、そうなのかな?』と思っていたのですが、きっとバイエルン側から見た見解なのでしょうね。

  4. >かめ。さん、
    代表で成長が見込めるっていうのもちょっとおかしいとは思うけど、ドイツの選手全般にいえることですが、多様性を身につけてほしいなあとはよく思います。
    シュバインシュタイガーとラームはもう難しそうなので、ミュラーがどうなるかですよね・・・。
     
    >げんきくん、
    あんまり書くと命を狙われるから。(ドイツサッカー協会にw)
    クラニーの冷遇っぷりはほんとにひどかったですよね。
    彼がシャルケの選手であるということも一因ではあるけど、シュツットガルトから出て行ったことが冷遇の最初の発端になっているはず。
    (と、ここは他ブログからの受け売りですが)
    もうちょいいろいろ調べて書けるようになるといいですねー。がんばります。
     
    >みっきーさん、
    >ユース時代の同僚GKの友人
    えー、そんな記事があったんですか。知らなかった。
    ノイアーには他にものすごく仲のいいGKの友人がいました。いつも彼と一緒にいたけど、もしかしたらそっちの知り合いかも?
    どちらにしても叩いた人物のことをノイアーは昔から顔だけは知っていたようです。

    フェールマンとノイアーにはそこまでの因縁は全くないです。
    むしろ一番そういう事件から遠い人物だと思います。

    ドイツサッカーについては、誰が、どういう立場で発言しているかということで、180度見方が異なります。
    新聞もそうです。日本のように全国区の新聞ではなく、その地方、地方での新聞がヤマのようにあり、それぞれの利害関係にそって記事を書いています。ある種の新聞(例えばビルト)は、どこかに悪意がないか、いつもきちんと裏付けを取りながら読まないといけないのです。

    鈴木良平さんはおそらくドイツサッカーの黒いところも知っているけど、さすがにブンデス紹介本でそういうことは書かないでしょう。
    そうするとバイエルンをほめる形になるのは当たり前なんじゃないかな。

  5. 今年の最初頃にPC買い換えてから、すっかりご無沙汰してました。

    ノイアーの件は、ちょっと残念ですね。
    でも、ヒルデブラントのように海外へ移籍して調子を崩してしまった例もありますし、海外で挑戦するリスクって高いと思います。
    特にGKは、一人しか出場できませんし、怪我も滅多にない。

    でも、応援するなら向上心のある選手のが良いですよね。

    自分の好きなスペインの場合、メディアの対立関係が分かりやすいので第三者から見れば微笑ましいくらいですが、ドイツもやっぱりあるんでしょうね。
    黒バージョンに期待してますw

  6. >alenaさん、
    お久しぶりですー。

    ヒルデブラントの件は確かに海外への移籍をちょっと考える事例になっちゃいますよね。
    その後、ノイアーのインタビューなども読んだのですが、とにかく代表GKというものがすごく彼にとって大切みたいなので、そこから海外へはリスクが高いと考えたのかもしれません。
    はっきりと海外へ行く気はないと言っていました。
    ま、いいけどね。
    なんか、もう競争のない世界へと、早々に足を踏み入れた感がちょっと個人的に残念な気がします。

    >応援するなら向上心のある選手のが良いですよね。
    守りに入った選手なんて!
    もちろんサポの勝手な言い草なのは理解してますけどw

    スペインも確かにいろいろありますよね。
    メディアの対立構造はドイツに近いものがあるかもしれません。地方色が強いところとか。

    >黒バージョン
    ちょっ、期待しないでw

  7. 彼がどこに移籍しようと最終的には彼の勝手です。でもね・・・。

    いままで、Urschalkerのイメージを売りとしていたのは、彼のせいであって、
    周りが無理に仕向けたわけではありません。
    HPに、国籍=シャルケ と書いてたのは自分なんですから。

    シャルカーは同胞としてのノイアーを愛し、誇りに思ってきました。
    チェルシー戦でトンネルをしたり、ロストック戦で相手FWにパスをしてさっさと決められたときも
    サポート続けました。こいつは俺たちの仲間で、最高な奴だと。
    彼は自分のミスでブーイングされた記憶が無いはずです。
    代表で第1GKに選ばれなかった時は共に泣き、慰めあい、ついに第1GKとなったときは、
    自分のことのように喜びました。
    誰もが信じていたのです。
    シャルケが彼にとって最高のチームだって。そして彼のチーム愛は他の選手と違うと。

    ところがそうではなかったと。
    数年前は、移籍するなら外国、シャルケと敵対するなんて!と言ってた彼が、
    ドイツで最高のチームでプレーしたいと言って、出て行ってしまいました。
    代表の第1GKはそうでなきゃいけないそうです。そして、自分の成長のためにも。
    そして横っ面を叩かれたショック状態のシャルカーに、自分をプロ選手の一人として扱ってほしいと。

    いつもCLに出ないと第1GKからおろされるかのような妄想は、特に代表に参加してから頻繁に口にしてたので、いろいろと耳元でささやかれてるんだろうなぁと思ってました。
    でも、それに対応するシャルケ愛を持っていると信じてました。
    もっと上を目指したいと言う気持ちは理解できます。
    でも何でそれがバイヤンなのか。
    kameさんご指摘のとおり、これは確かに あがり です。
    このままぬるま湯に浸って、10年以上代表のGKを勤めていくつもりなんでしょうかね?
    スペインやイングランドにチャレンジする心意気は無いらしい。
    今なら失敗してもやり直しがきくのに。

    マヌ、君の望みどおりこれからは単にプロ選手の一人として見させてもらうよ。
    でも、君も、センチメンタルな会見や、チームメイトとのお別れパーティがしたかったなんて、文句付けはやめてほしい。そのように去っていく選手はゴマンといるんだから。
    おまけに、バイヤンファンの点数稼ぎのために自分の過去を創作するのは、ちょっと・・・ねぇ。

    ま、移籍が発表になったその日のうちに君のFacebookからシャルケ時代の写真がすべて削除されたことが、君の気持ちを表してるけどね。

    君をマヌと呼ぶのもこれが最後。他のシャルカーはすでにヘル・ノイアーと呼んでるけど。
    これで、私もノイアーの話はおしまい。封印です。

  8. みなさんの想いにうんうんと頷いてます。私も国外で活躍するノイアーを見てみたかったし、それであれば心から応援できたのにと思います。ノイアーの生い立ちを知るにつれ、ブンデスでシャルケ以外のクラブにいくってないだろうなと思っていたので。盛りを過ぎた頃にまたシャルケに戻ってくるのかなぁ。
    ま、こちらが悔しくなる程に彼もスパッと方向転換したことだし、心機一転新しいチーム作りに目を向けていきましょう。
    シャルケでのフェールマンは、トレーニングしている姿しかまだ見たことがないので、試合でゴールに立つのを見るのが楽しみです。今季後半は、勝ち試合に恵まれずズルズルとフランクは降格に至ってしまいましたが、素人ながら、フェールマン自身は好セーブが多く、彼のミスで失点したケースはそれほど無い気がしています。(ラウールの背後からの鮮やかな奇襲は忘れられないけど)
    レーマンか、はたまた別のGKがどこからかやってくる、なんてことがあるのかどうか分かりませんが、頑張って№1になって欲しいです。

  9. >しょーちゃん、
    私は最近ノイアー氏の発言を読んで、あれー、そうじゃないことを昔聞いたような気がしたんだけど、あれは気のせいだったのかなあと、自分の記憶力に一抹の不安を覚えていたので、しょーちゃんのコメントを読んですっきりしました(汗)。

    FBの写真削除は知りませんでした。
    その前にすでに『Like』を外してしまっていたので、全然見てないや。

    でもこんなに意見をころりと変えることのできる蝙蝠君だとはほんとに思っていませんでした。
    自分の人間を見る目のなさ・・・というか、人は変わるものなのだなという事実を知っただけでも、いろいろ学んだなという気がします。

    この先も不愉快な発言をたくさん聞くんだろうなというのが、自分たちの精神状態の安定を害するという観点において大変残念です。
    ま、封印ですね。
    彼にとって黒歴史であるなら、私たちにとっても彼はもう黒歴史でしょう・・・。
     
    >ハンザさん、
    >盛りを過ぎた頃にまたシャルケに戻ってくるのかなぁ。
    もう帰ってきてほしくないな・・・。

    そうそう、私たちも心機一転しないといけないですよね。
    フェールマン、シャルケ時代はデビューしたてだったので、心配でハラハラしたけど、フランクフルトでがんばりましたよね。
    ラウールのあれは、ラウールがうまいというか、ちょっとフェールマンがかわいそうだったけど(笑)

    やっぱりよそのクラブで経験を積んだことはすごくためになっている気がします。
    シャルケでも大きく成長してほしいし、若いキーパーの今後を見守る楽しみがありますよね。
    ま、他のキーパーがきちゃうかもしれないけど・・・。

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