オベラート、ケルンの会長を辞任

一昨日、1.FCケルンの総会が開かれ、会長であるオベラート、ならびにボードメンバーのFriedrich NeukirchとJürgen Glowaczの辞任が発表されました。
つい数日前の報道ではオベラートは2013年までは任期を全うし、その後引退したいという希望だっただけに、この数日でいったい何があったんだととにかく驚きました。

いろいろ報道を見ていますが、だいたい1年くらい前からサポーターとオベラートの関係が悪化し、特にFC:reloadedというクラブ会員のグループとはまっこうから対立していたようです。
FC:reloadedのサイトを見ますと、クラブをもう少しオープンで透明なものにし、FCの将来を明るいものにしたいという理念が語られています。オベラートは現役時代をずっとケルンでプレーした素晴らしい選手で、ケルンというクラブのアイコンであり、象徴でもありますが、それだけに力を持っているため、クラブに害をなすものと考える人達も多かったのでしょう。

Süddeutsche Zeitungの記事によると、オベラートが辞めることを発表したとき、会場の半分はこれからどうなってしまうのか不安におびえ、残りの半分はポドルスキーがグラートバッハ相手にゴールを挙げた時のような歓声を発していたようです。

オベラートは7年半在任しましたが、その間、ツヴァイテに降格したケルンの昇格への道は困難を極めました。負債はほぼ3倍の30Mユーロになり、現在の監督ソルバッケンはオベラート時代では8人目です。一方でオベラートは新しいスポンサーなどを開拓しました。

辞任にあたってのオベラートのスピーチはいつものごとく感情に訴えるもので、他からの批判をいやいや受け付けたような、傷ついたプライドを感じさせるものでした。彼がスピーチを始めると会場のあちこちから批判的な口笛がとんだようです。
スピーチの中でオベラートは『小さなグループが何度も自分を攻撃してきたようで、こういう建設的でないやり方を行う人々に怒りを覚えた』と、おそらくFC:reloadedのことを批判しています。
彼の全スピーチはExpressに掲載されていますので興味のある方はリンク先を参照ください。

このオベラートとクラブ会員たちの騒動を通して、ケルンがひとつにまとまったクラブでないことは外部からもよくわかりました。オベラートの『Wir waren in der letzten Zeit nicht immer ein Team』(私たちは最後の方ではずっとひとつのチームではなかった)という言葉がそれを表しています。

ケルンは現在11位ですが、ポドルスキーの冬の去就いかんでは今シーズンも残留争いにどっぷりつかる可能性があります。実はフォルトゥナ・デュッセルドルフと入れ替え戦にならないかとちょっとワクワクしたりもするのよね。
とにかく、これからケルンがどうなっていくのかしばらく目が離せません(個人的には物見遊山的なノリですが・・・)。
あとは今週のFoot!で鈴木良平さんにこのことについて詳しく裏側を説明してほしいな。

オベラートの最後の言葉は『Vielen, vielen Dank – und maat et jot』(ほんとうにありがとう。それからお元気で)でした。
あなたこそ、Maat es jot・・・。