SCパダボーン(パーダーボルン)07が実にあっさりと昇格してしまいました。
32節でフュルトと入れ替わりに2位となりそのまま2連勝。クラブ史上初めての一部昇格を達成しました。 フュルトも最後の2試合は勝ったのですが、結局32節でパダボーンと順位が入れ替わってしまったのが響き(1860ミュンヘン、ありがとう)、3位で入替戦にまわることになりました。 1位ケルンの勝ち点が68、2位のパダボーンは62なので、勝ち点からみても昇格は妥当な成績だったと思います。
最終節の試合、先制したのはアーレン。前節2得点で好調のポーヤンパロが開始9分にゴールをあげます。 スタジアムはもちろん満員で、アーレンのゲストブロックを除くとほぼ全員がパダボーンの応援。今まであまり経験したことのない(苦笑)大歓声に押され、14分にはヴランチッチがスルスルと相手DFをかわしながらゴール前までもちこみ、ラストパスをヴチノヴィッチが決めてすぐさま同点に。 前節のザントハウゼンとの試合では、序盤は見ていてもあー、緊張しているなとわかるくらい固かった選手たちが嘘のようです。
さらに21分には、ザグリクからのパスを受けたヴランチッチが鮮やかにゴールを決めて逆転。 この日のヴランチッチは素晴らしい出来で、キッカーでの採点も1でした。彼のパスのセンスやプレーの技術の高さは本当に見ていて楽しい。 パダボーンはシーズン後半は今季2部では最高の勝ち点39をとりましたが、ヴランチッチは折り返してからはすべての試合にスタメンで出場し、5ゴール5アシスト。数字に表れるものだけでなく、ゲームにアクセントを与え、チャンスを演出し、ゲームメイカーとして活躍しました。
フュルトがリードしていたので、引き分けだとフュルトに抜かれるパダボーンとしては何としても勝たないといけません。 一度はポーヤンパロのシュートがゴールポストの角を直撃し、ああもうだめかと思ったりしましたが、なんとかこのまま逃げ切ってついにタイムアップ!
サポがグラウンドにも突進しないで行儀よく昇格の喜びをかみしめているところが、実にパダボーンらしい。いい悪いは別にしてそういう土地柄なのです。(あとでサポがピッチに降りたりしてましたが)
試合後にはパダボーンの市庁舎の前に特設ステージを作り、みんなで昇格を祝いました。 集まったファンの数は2万人。 市庁舎にバルコニーがないチームはパダボーンとどこかもう一つ(忘れた)あって、昇格するとどこであいさつするんだろねというのがドイツ人サッカーファンの間の使い古されたジョークなのですが、ちゃんとバルコニーがなくても祝うことができたよ!
Das Team des @SCPaderborn07 feiert mit seinen Fans auf dem Rathausplatz pic.twitter.com/YA7tFhO14L
— BUNDESLIGA (@bundesliga_de) May 11, 2014
YouTubeにも祝賀会の映像があります。(埋め込みができなかったのでリンクだけ)
- “Märchenhaft: Paderborn ist erstklassig” at YouTube
昨日は試合後に写真や記事をあちこち見てまわり、嬉しくてほとんど眠れませんでした。 来季、パダボーンがシャルケと対戦するとき、あるいはパダボーンの元監督のシュミットさん率いるレヴァークゼーンと対戦するときには、できればドイツに行きたいな。 パダボーン、おめでとう!あなたたちを応援してきて本当によかったです…。
ところでこの試合を最後に引退するキャプテンのクレシェ。 試合前には彼のためにバナーが出されました。
クレシェは3年前にも引退しセカンドキャリアに入ることを考えていたのですが(『クレシェとの契約を延長』)、チームが説得しさらに今年までプレーを続けてくれました。怪我が多かったので最後の方はあまりピッチに立つ時間もありませんでしたが、13年間パダボーンでプレーしてきて、このチームの顔のような存在です。 今思うと、2012年の秋にパダボーンの練習場でクレシェのユニにサインをもらうことができて本当によかったと思います。(『パダボーンのトレーニング見学』)
昇格争いの途中でブンデス公式に彼のインタビューが掲載されたのですが、たとえチームが昇格し1部でプレーできることになっても、「いいところでやめたい」と今季限りの引退は撤回しませんでした。 すごく好きな選手だったので引退は残念だけど、セカンドキャリアでの成功を心から祈っています。
まだまだ書きたいことはたくさんあるのですが、とりあえず眠いので(笑)、最後にひとつの歌をリンクして終わります。 これは試合の前日にツィークラーがTwitterで、なんて今の気分にあうんだろう!とつぶやいていた曲です。
Weils so gut passt… Andreas Bourani – Auf uns (Official Video): http://t.co/zMCX8f7n4r pic.twitter.com/nHxc1sV3Am
— Patrick Ziegler (@thePZ5) May 9, 2014
ものすごく適当ですが、歌詞の日本語訳も一部つけてみました。試合前に聞いて、あーそうだよと何度も泣いてしまいました。
Andreas Bourani – “Auf uns”
誰かこの瞬間のまま凍らせて これ以上良いことはありえない
後ろにつらなっている日々のことを考えている
もうどのくらい喜びと涙を分かち合ってきたのだろう
誰もお互いのためなら火の中も辞さない
雨の中でも決して一人じゃない
心が私たちをコントロールしている限り
いつだってそうなるだろう
歓声が私たちの目の前にある
私たちにとっての最高がそこにある
歓声が私たちを一つにする
この時に 歓声が私たちの上に
私たちの人生に
この瞬間 いつまでもこのままで
歓声が私たちの上に
今と永遠の上に ある
一日の上に 永遠
かめさん!良かったですね!
しばらく嬉しい余韻に浸ってくださいね〜。
昇格おめでとう
シャルケとの対戦が楽しみだね
>ハンザさん、
ありがとうございます!しばらくはほんとに余韻に浸っています。
嬉しいー。
>ナンさん、
ありがとうございます!
本当にシャルケとの対戦がいまから待ち遠しいです。
シャルカーのみなさんがあの比較的小さなスタジアムに埋めるのかと思うと、ちょっと不思議な感じがします。